アットマークテクノは11月12日、画面出力機器向けに特化した組み込みプラットフォーム「Armadillo-840」を開発したことを発表した。

マルチメディア機能に特化したアプリケーションプロセッサとしてARM Cortex-A9とSH-4Aを搭載したルネサス エレクトロニクスの「R-Mobile A1」を採用。

画像・音声のリアルタイム制御用にSH-4Aを活用することで、メインCPUに負荷をかけることなく、画像・音声の処理をすることが可能であり、標準添付されている日立超LSIシステムズと協力して開発した「AVコーデックミドルウェア」を用いることで、H.264、JPEG、AACに対応した組み込み機器をすぐに開発・量産することが可能となるという。

HDMIによる外部ディスプレイ接続(Full HD:1920×1080ピクセル)に対応している他、外部拡張で最大でWXGA+サイズ(1440×900ピクセル)までのタッチパネル液晶も接続できる。

また、標準GUI環境として「Qt 5」が採用される予定だという。Qt 5はC++ GUIツールキットを含むアプリケーションフレームワークで、簡単にGUIアプリケーションを開発することができるほか、Javascriptでの記述が可能なユーザーインタフェース言語「QML」なども採用されている。Armadillo-840ではQtライブラリがAVコーデックミドルウェアと統合されており、Qt5アプリケーションから動画・音声を再生することができるほか、R-Mobile A1に搭載されたグラフィックスコア「PowerVR SGX」にも対応しているため、なめらかな3Dグラフィックス描画も可能だという。

なお同社では、金属ケース付きの「Armadillo-840 ベーシックモデル開発セット(型番:A8400-D00Z)」を2013年3月に、タッチパネル液晶付きの「Armadillo-840 液晶モデル開発セット(型番:A8401-D00Z)」を2013年5月に発売する予定で、これらのCPUボード本体やオプションケースはそのまま量産にも使える設計で、温度範囲も-20℃~+70℃を実現しているため、産業用途にも利用可能だとしている。

Armadillo-840の基板外観

Armadillo-840 ベーシックモデル開発セット。金属ケース付き

Armadillo-840液晶モデル開発セット。タッチパネル液晶付き