IDT(Integrated Device Technology)は8月28日、消費電力を1/10以下に抑えたPCI Expressタイミングファミリとして、シンセサイザ「IDT 9FGVxxxx」とバッファ「9DBVxxxx」を発表した。

同製品は、スイッチ、ブリッジ、シグナルリピータ、フラッシュコントローラ、タイミングなどを含む同社のPCI Express(PCIe)ソリューションポートフォリオに含まれるもので、消費電力は従来の1/10以下となる50mW以下を実現している。この低消費電力性能により、大規模クラウドコンピューティングアプリケーションにおける放熱を削減し、冷却要件を緩和することが可能となり、標準的なデータセンターの年間エネルギーコストをラック当たり600ドル以上削減できると同社ではコメントしている。

今回のクロックシンセサイザとバッファは、差動出力において、内蔵または外付けの終端を選択できる。不均一なタイミング環境で使う場合、外付けの終端には、最大の柔軟性を提供する。一方、100Ωの差動伝送線を備えた均一なタイミング環境で使う場合、内部終端は、最も省スペースで最小のディスクリート(個別)部品数で済むという。新しいPCI Expressタイミングファミリの全製品は、PCIe Gen 1、Gen 2、Gen 3の要求性能を満たし、製品を数世代にわたって再利用することができる長いライフサイクルの設計が可能となる。

また、選択可能なSMBusアドレスを備えているので、他のソリューションで必要となる煩雑な追加ロジックなしで、複数のデバイスが同じSMBusセグメントをシームレスに共有することができる。各差動出力は出力イネーブル(OE#)ピンを備え、先進的なパワーマネージメント(電源管理)構成に必要な柔軟性を提供する。さらに、各出力の差動スルーレートや、シグナルインテグリティ調整用の差動振幅をSMBusで設定可能。現在、2/4/8出力の異なる形式を用意している。また、追加機能や出力形式は開発中だという。

なお、パッケージは4/5/6mm角のQFN。現在、特定のユーザー向けにサンプル出荷中となっている。

消費電力50mW以下を実現したPCI Expressタイミングファミリ、シンセサイザ「IDT 9FGVxxxx」とバッファ「9DBVxxxx」