Analog Devices(ADI)は、最大±22Vで動作し、電源が切られるまで高回路電流状態が続くラッチアップの防止を保証したマルチプレクサ「ADG5206/07」の2品種を発表した。

2製品は、スイッチング時の洩れノイズである電荷注入が0.35pCと低いため、低グリッチで高速セットリングを求めるデータアクイジションやサンプル&ホールドアプリケーションに適していると同社では説明する。また、20pAの低リーク電流特性を実現したことによる高精度・高分解能を保証していることから、オーディオやビデオ信号の配線にも利用できるという。

「ADG5206/07」は、各CMOSスイッチのNチャネルおよびPチャネルトランジスタ間はトレンチアイソレーションとなっており、ラッチアップ保護を保証している。また、アナログ信号が両極性のアプリケーションでは±9~±22V、単極性のアプリケーションでは+9~+40Vでそれぞれ動作する。さらに、3.5pFのオフ時のソース容量、60MHzの-3dB帯域幅、スイッチング時の超低電荷注入(0.35pC @0V)およびオフ時の超低ソースリーク電流(400pA @125℃)といった性能を有する。オン状態の時は双方向に等しく良好に動作し、電源電圧まで広がった入力信号範囲に対応する一方、オフ状態の時は電源電圧までの信号レベルをブロックする。スイッチはマルチプレクサアプリケーション用に、ブレークビフォアメークスイッチング動作を実行する。

なお、「ADG5206」はマルチプレクサのチャンネル数が16個、「ADG5207」は差動型で8個搭載されている。2製品ともパッケージは28ピンTSSOP/LFCSP。価格は1000個受注時で4.40ドル。すでに量産を開始しており、サンプルおよび評価ボードも供給中。