STMicroelectronicsは、AM/FMとマルチデジタルラジオ放送を同時に受信・処理するデジタルラジオチップセットを発表した。

同製品は、Bosch Car Multimediaと共同開発したもので、高性能かつコスト効率に優れた車載インフォテインメント・システムを短期間で開発可能となる。テキストと画像を同期ストリーミングして気象・交通などの情報をリアルタイムでアップデートするような次世代ラジオ機能や付加価値サービスが実装でき、新たなドライブ体験を創出できる。

スペック面では、最大4チャネル(FMフェーズダイバーシティ用2チャネル、DABなどの地上デジタル放送用2チャネル)を並列に受信してデコードすることが可能。これにより、カーラジオの1チャネルでオーディオ番組を聴きながら、別のチャネルでリアルタイムの交通情報と気象情報を同時に受信することができる。ラジオレシーバICは、従来のアナログFM信号とデジタルラジオ信号をシームレスに切り換えたり、2種類の異なったデジタルラジオチャネルからのオーディオおよびデータを同時に復調することもできる。

また、最大4つまでのマルチスタンダードRF IC部分と全ソフトウェア・スタックが動作するベースバンド処理ICをベースとした完全なレシーバ用ソリューションとなっている。さらに、低消費電流かつ最小の電磁干渉が特徴であり、ベースバンド処理において障害が生じない。DAB規格ファミリ(DAB/DAB+/DMB-A)およびDRM(オープン放送規格)の他、外付けコプロセッサと組み合わせることでHD Radioにも対応する。

なお、すでに量産を開始している。

AM/FMとマルチデジタルラジオ放送を同時に受信・処理するデジタルラジオチップセット