最先端のデザインに出会える空間「PROTO LAB」
本展の会場では、プロダクトデザイナーによる渾身のプロトタイプ(試作品)が集結する特別企画「PROTO LAB(プロトラボ)」も開催されていた。この企画は「次の売れるデザイン」を求めるメーカーと製品化を目指すデザイナーの"出会いの場"として設けられたものだ。本稿の締めくくりとして、同ブースで特に目立っていた作品をいくつか紹介しよう。
幻想的な空間を作り上げていたのは、Kラボ・加覧幸祐氏の作品「Time in the air」。デジタル数字をモチーフとした時計で、両面発光する本体が"物質として視覚化できない時間"を表現しているのだという。続いて、イチバデザインスタジオ・市場純生氏によるコの字型のコンパクトな照明「NOOK」。元日産自動車のデザイナーなだけあって、カーデザインを思わせる、滑らかなフォルムが印象的だ。
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発光中も高い透過性を保ち、独特の存在感を生み出す「Time in the air」。時を刻むごとに色も変化する |
縦置き・横置き・下向きなど、自由な置き方が可能な「NOOK」。シンプルを極めたデザインで、人々の注目を集めていた |
バッグ型の組み立て式アート家具「Party Bag Chair (Stool)」は、GRACE LIFE DESIGN・鹿野敬子氏の作品。バッグに収納されている足を本体に取り付けることで、おしゃれなスツールやテーブルとして利用できるという。また、STUDIO SURUMEによる壁掛け時計「perch clock」は、内部に磁石を仕込むことにより昆虫が文字盤を進む仕組みとなっている。
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持ち運びや収納にも便利な「Party Bag Chair (Stool)」。座面は取り外し可能で、気分によって取り替えることも可能 |
「STUDIO SURUME」菊池光義/増田佑佳/上原冬悟の3氏による作品「perch clock」。昆虫のモチーフが一瞬の安らぎを与えてくれる |
そのほかにも、新たな可能性を秘めたデザイン製品のプロトタイプが数多く展示されていた。
これらのプロトタイプや未発売の商品などには、これまでの製品たちとは異なる角度から見た、便利さを実現するための工夫や、見ていて心地よい造形美が盛り込まれていた。「DESIGN TOKYO」というイベント名が示す通り、最先端のデザインを数多く見ることができる催しだった。