Googleで位置情報・ローカルサービス担当バイスプレジデントを務めるMarissa Mayer氏。来日経験もあり、メディアに出ることも多いのでご存じの人も多いだろう。Mayer氏は20番目の社員として創業まもないGoogleに入社し、長年幹部を務めている。そんな忙しいMayer氏が、ニューヨークのイベントでストレスや燃え尽き症候群について語ったようだ。その様子をEnterpreneurが記事(原題:How Google's Marissa Mayer Prevents Burnout)として掲載しているので、紹介しよう。

3万3,000人の従業員を抱える企業の幹部とあれば、忙しさも並大抵のレベルではないだろう。実際、Mayer氏は入社直後は週に130時間働き、仕事場で寝ることもしょっちゅうだったとか。「ハードワークはGoogle成功の秘密であり、自分自身が成功した秘訣でもある」と言うMayer氏が獲得した燃え尽き症候群対策とはどのようなものだろう。

ステップ1:憤慨のサインを見逃すな

「燃え尽き症候群は憤慨から」というMayer氏。よって、対策はまず自分をよく知り、失うと(体や心が)憤慨するものは何かを理解することだという。カナダ東部にあるアカーディア大学の心理学教授のMichael Leiter氏は、これを「疲れた時、エネルギーを補充するできるかどうかが問題」と解説する。

エネルギーを補充できなくなった時、あるいは、自分の仕事と価値観との衝突を解決できない時、人は消耗を感じたり、怒りっぽくなったり、落胆したりするのだという――これらは燃え尽き症候群の兆候である。

ステップ2:"マイアクティビティ"を持とう

Mayer氏の理論は、「自分のリズムを見いだすこと」だそうだ。リズムとは、「自分がそれできないと憤慨する大切なアクティビティ」とのこと。Leiter教授の言葉を借りれば、「自分のエネルギーを取り戻すアクティビティ」ということになる。

それは、「8時間の睡眠」という人もいるかもしれないし、「毎日1時間ヨガに没頭すること」「週に1度は自然に触れること」という人もいるかもしれない。なんであれ、体や心が満足を感じるのに不可欠な活動は人それぞれだろう。その活動に割く時間は犠牲にしたいものだ。

「人間、特に起業家は膨大なエネルギーと時間を捧げることができる。過労そのものは燃え尽き症候群を引き起こさない。燃え尽き症候群になるのは、エネルギーの補充が足りないことに気がつかないから」とLeiter教授。

ステップ3:スタッフに対しても気遣う

多くの部下を抱えるようになったMayer氏、部下の燃え尽き症候群に対しても気配りをしている。例えば、「疲れているな」と感じるスタッフに対しては、自分の"リズム"を尋ねるのだそうだ。「火曜日の夜は夕食に間に合うように帰宅したい」「娘のスポーツの試合に遅れずに行きたい」などと部下が言った時は、例外なく許可するのだという。

「全部はできないし得られないけど、自分にとって大切なことがあるはず。それこそが、自分が情熱を感じるものに長時間取り組むためのパワーの源となる」とMayer氏は語っている。