富士通セミコンダクター(FSL)は5月31日、自社の高性能8ビットマイクロコントローラ「New 8FXファミリ」に、ブラシレスDCモーター制御機能を備えた48ピン「MB95690シリーズ」9製品と、アナログコンパレータ機能を備えた64ピン「MB95810シリーズ」6製品を加え、2012年6月より順次サンプル出荷を開始することを発表した。

電子レンジやフードプロセッサなどの調理家電、プリンタや複写機といったOA機器、ドライヤーや電気カミソリなどのパーソナルケア製品に使われるブラシレスDCモーターは、静音性・長寿命の点で優れている反面、機器全体のコストの中で大きな割合を占めており、それを制御するマイコンにも低価格化が求められている。また、ブラシレスDCモーター制御だけでなく、温度センサや照度センサなど、機器を取り巻く多くの環境パラメータのセンシングを行うなど、きめ細やかなシステム制御を求められる比較的高価格帯の製品にも対応できるよう要求されてきている。さらに、近年では電子機器の低消費電力化がクローズアップされ、通常動作時や待機時の電力消費も抑えたいという要求も拡大しつつある。

同シリーズはこうした要求に対応し、三相波形出力によるブラシレスDCモーター制御機能のほかに、汎用性の高い各種タイマや通信機能、基準電圧付きのアナログコンパレータなどの周辺回路と書き換え回数10万回に対応する60KBサイズのフラッシュメモリを、48ピンパッケージに搭載した低消費電力マイコンであり、システム構成部品の削減と大容量の処理プログラム搭載が可能だ。

また、システム・電源管理などの低消費システム管理マイコンとしての利用や、仕様変更に伴う追加機能を拡張するサブマイコンとしても利用可能だと同社では説明している。

なお、同社では2シリーズ合計で月間180万個の販売を目指すとしている。

ブラシレスDCモーター制御機能を備えた48ピン「MB95690シリーズ」(右)と、アナログコンパレータ機能を備えた64ピン「MB95810シリーズ」(左)