パナソニックは4月9日、2010年の国際福祉機器展での参考出展として発表された「洗髪ロボット」の頭皮ケア機能を充実した「ヘッドケアロボット」を開発し、4月11日から6月10日までの約2カ月間、兵庫県西宮市の理容店「スーパーヘアーセオ」(兵庫県西宮市甲子園5番町15-14)で試行運用を開始することを発表した。

今回の試行運用では、1台のヘッドケアロボット設置し、パナソニックのスタッフが常駐する形で、希望する人に体験してもらうという形だ。毎日10時から12時、13時から17時まで利用でき、毎週月・火ならびに4月28日~5月6日のゴールデンウィーク期間は休止となる。

パナソニックは、安心・安全・快適な暮らしを実現することを目標として、介護・福祉分野において人をサポートするロボットの研究・開発を継続的に進めており、2009年から毎年福祉機器展にてプロトタイプのロボットを披露してきた。

介護の場面において、日常的な生活行動である洗髪は、入浴の難しい入院患者や障害者からの強い希望にも関わらず、介護者の労働負担の大きさなどからきめ細かな対応が困難であるという実態がある。

パナソニックはその事態を踏まえ、介護施設や病院での洗髪を、施設スタッフの負担を軽減しながら快適にサポートできる「洗髪ロボット」の開発を進めてきた。前述したように2010年の第37回国際福祉機器展に開発1号機が披露され、2011年の第38回国際福祉機器展にはそれを改良した2号機を参考出展・発表し、デモンストレーションの実施と、来場者からの意見を集めてきた形だ。

そこで得られた意見も踏まえ、「洗髪ロボット」は、障害者だけでなく一般人に対しても快適な暮らしの実現に役立つようにという考えのもと、今回、洗髪時の手もみ動作による頭皮ケアの機能に改良を加え、介護はもとより、理美容分野への応用も視野に入れた「ヘッドケアロボット」として実用化に向けての試行運用を開始したというわけだ。

ヘッドケアロボットは、ロボットハンドの技術を応用し、利用者の頭の形に添って、ハンドに搭載された合計24本の指先で優しく洗浄を行う。ムース状の泡を用いており、シャンプーからハーフドライまでをロボットが支援する形だ。

加えて、24本の指先で包み込むように頭皮を優しく揉むといったケアも行うことも可能。個人の頭の形状や好みの洗い方をデータとして登録することもでき、毎日の洗髪ニーズや頭皮ケアにも対応することを想定されている。

画像1。試行運用を開始するヘッドケアロボット