Texas Instruments(TI)は4月2日、 従来比8倍の性能-消費電力比を有するADコンバータ・ドライバアンプ「THS4531」を発表した。

同製品は、36MHzの帯域幅および220V/μsのスルーレートを有する他、0.01%以内へのセトリングタイムが150nsと高速であり、高いサンプリングレートのコンバータの駆動時にデータ・アクイジション・タイムを削減する。パワーダウン時の消費電流が0.5μA、静止電流が250μAで、2.5Vおよび5V電源に対応することから、電池駆動をはじめ柔軟な電源選択が可能となっている。また、「ADS8317」「ADS1278」をはじめとしたADコンバータの駆動や、その他の直流結合のアプリケーションにおいて、16ビットの精度を提供する。
さらに、負電源レール電位までの入力同相モードおよび、レール・ツー・レール出力などの特長によって、グラウンド電位を基準にしたシングルエンドの信号源や、差動入力の精密SAR(逐次比較レジスタ)型およびΔΣ型ADコンバータとのインタフェース設計を簡素化できる。

なお、パッケージは2mm角のQFN、3mm×5mmのMSOP、5mm×6mmのSOIC。2mm角のパッケージに、高速の完全差動アンプを内蔵していることから、流量計およびポータブルの医療用機器をはじめとした高性能かつ超低消費電力、高実装密度といった用途に最適としている。 価格は1000個受注時で1.10ドル。

TIのADコンバータ・ドライバアンプ「THS4531」