カナダ・オンタリオ州政府は、イギリスの慈善団体「Raspberry Pi Foundation」が発売している名刺サイズの小型コンピュータ「Raspberry Pi」に搭載されているオープンソース・ソフトウェア「Raspberry Pi Federa Remix14」を、同州トロントにあるSeneca CollegeのCentre for Development of Open Technology(CDOT)が開発したことを明らかにした。
Raspberry Piは、若年層がコンピュータ・サイエンス、ソフトウェア開発やエレクトロニクス技術に対する関心を高める目的で設計された単三電池4本で稼働する低消費電力コンピュータで、テレビをモニタとして使用し、SDメモリカードにデータを保存して利用する。同大で、開発された基本ソフトのパッケージには、Raspberry Pi向けにカスタマイズされたLinux Fedoraの基本ソフトとWebブラウザやワードプロセッサといった基本アプリケーションソフトが含まれており、これにより、デスクトップPCと同様に、表計算ソフト、ワードプロセッサなどのソフトや、ゲームや高画質ビデオの再生といった様々な用途を利用することが可能となっている。
また、同ソフトウェアは、さまざまな次世代のコンピューター・システムを稼働させることが可能であり、Raspberry Piのほか、非営利団体「One Laptop Per Child(OLPC)」のプロジェクト下で開発された新モデルや、従来のデータセンターと比べて消費電力を削減できる高密度サーバシステムなどが挙げられるという。
さらに、今回の開発に関して、同大のComputer Systems Technology(コンピュータ・システム技術科)の卒業生で、現在、CDOTの研究助手と講師を務める傍ら、Fedora Linuxの開発に参画したPaul Whalen氏は「実際に、学生たちがこのコンピュータについて学び、想像力を大胆に発揮しながらアプリケーションを自分たちで作り上げていくことに熱中していく様子を目の当たりにした。Raspberry Piのようなコンピュータを開発するためにLinux FedoraをARMアーキテクチャに組み込む過程に携わることができ、光栄だ」と、自分たちの教える学生に対しても教育効果があったとコメントしている。
なお、Raspberry Piはアールエスコンポーネンツが代理店として日本国内での販売を行うことを発表している