Texas Instruments(TI)は、同社の32ビットマイコン「C2000」を搭載したソーラー・キットとして「C2000 電圧ソーラー開発キット」および「C2000 低電圧ソーラー検証キット」を発表した。
高電圧ソーラー開発キットは、同社初の包括的な、高電圧、パネル直結可能な絶縁型マイコン制御ソーラー・ソリューションで、2枚の独立した開発ボードで構成される。2個のコントローラを搭載しており、高電圧パワー・ステージと同時に、プロセッサ間の通信システムの検証が可能となっている。1次側ボードは、最高電力点追従(MPPT)制御を実現するインターリーブ・ブースト・ステージを備えた、最大500Wの電力をサポートする300V DC対応の入力ステージおよび、絶縁型共振LLCステージを搭載。両ステージは1個のPiccoloマイコンが制御する。また、2次側ボードは、120/220V AC出力に対応した、グリッド(電力網)と連結の際に整合が可能なフル・ブリッジDC/ACインバータを搭載。ConcertoまたはPiccoloマイコンで制御可能で、制御およびコネクティビティの両機能を1個のマイコンで提供する。
一方の低電圧ソーラー検証キットは、PiccoloおよびConcertoの各マイコンに対応しており、非絶縁型の複数のパワー・ステージの制御を1個の低価格デジタル・コントローラにより実現している。複数のDC/DCコンバータおよび、12VDC/100Wの入力ステージに対応したDC/ACステージを搭載しており、デジタル制御のパワー・ステージやグリッドに連結していない各種アプリケーションをオフィスや低電圧のみ使用可能な実験室で学習、検証ができるような安全性への配慮などが施されている。これらのステージをすべて1個のPiccoloマイコンで制御可能なほか、MPPT制御向けのシングル・スイッチDC/DCブースト機能、電池充電のためのDC/DCシングルエンド・プライマリ・インダクタ・コンバータ(SEPIC)および、24V ACを駆動可能なフル・ブリッジDC/ACインバータを内蔵していることで、低電圧ソーラー製品設計向けの柔軟性を確保している。また、ソーラー・パネルのエミュレーション回路制御用のプロセッサおよび、光量検出のためのフォト・ダイオードを搭載しているほか、Concertoマイコン向けに、コネクティビティ機能の追加が可能かつ、Ethernet接続用グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)も提供される。
なお、すでにこれらの開発キットは受注を受け付けており、高電圧ソーラー開発キットは550ドル(参考価格)で、また付属のConcertoマイコンまたはPiccoloマイコン搭載のインバータ・ボードは同450ドル(同)で提供される。一方の低電圧ソーラー検証キット は、Piccoloマイコン搭載バージョンおよびConcertoマイコン搭載バージョンの2種類を用意。Piccoloマイコン搭載バージョンは425ドル(同)、Concertoマイコン搭載バージョンは575ドル(同)でそれぞれ提供される。