TANAKAホールディングスは、田中貴金属グループでボンディングワイヤ製造を手がける田中電子工業が、台湾に銅製ボンディングワイヤを製造する生産子会社を設立し、2月1日から製造を開始したことを発表した。

同新会社は資本金が2億8,500万台湾ドルで、田中電子工業としては、日本とシンガポール、中国(杭州)に続く4番目の銅製ワイヤの生産拠点。

金相場が高値で推移しており、半導体の集積回路と外部電極をつなぐボンディングワイヤも、より低コストな銅製ワイヤへの代替が進みつつある。ボンディングワイヤは現在、世界で月間約10億mが製造されていると推測されている。このうち銅製ワイヤは、アジア新興国を中心に2010年より金製ワイヤからの代替が加速してきており、すでにボンディングワイヤ全体の20%程度を占めるまでに成長。2013年には40%程度にまで拡大するものと見られている。

そこで、同社では銅製ワイヤの需要に合わせて、海外生産拠点を拡充してきていた。台湾ではこれまでは、製品販売やテクニカルサポートの機能のみを設置し、日本やシンガポールで製造したボンディングワイヤを提供していたが、台湾での銅製ワイヤへの代替が本格的に進んでいることを受けて、さらなる販路拡大が見込めるとの判断から新会社の設立に至ったという。

なお、今後は新会社を通じて、サブコンなどとの取引拡大を進めることで、銅製ワイヤを2014年までに月間1億m出荷することを目標としており、これによりすでにトップクラスの金製ワイヤのシェア同様、銅製ワイヤでも世界トップクラスのシェア獲得を目指すとしている。

田中電子工業が提供する銅製ワイヤ