独Infineon Technologiesは、TVSダイオード(過度電圧サプレッサ:Transient Voltage Suppression)の新シリーズ「ESD5V3L1Bダイオード」を発表した。スマートフォン、タブレット、電子書籍、その他ポータブルコンピュータなどのコンシューマ製品に深刻かつ潜在的な障害をもたらす静電放電(ESD)現象に対するシステム強度を高めることができるようになるという。

同製品は、外部インタフェースに近接して実装されるデバイスで、ESD事象に対応する低抵抗パスとなり、下流のICに危険な過剰エネルギーが流れないように分路するもの。

低制限電圧と0.22Ωの低動的抵抗により、ESDの重大度レベルすべてにおける効率的な保護性能を有し、他社製品に較べて2倍以上の効果を実現する。IEC61000-4-2業界の基準(8,000V)を超え、少なくとも±20,000Vの接触放電を吸収できるESD吸収能力を有しているほか、電池式機器への応用可能な低リーク電流を実現している。

また、TVSダイオードは双方向性を備え、±5.3V以内の作動電圧がかかる単線の保護に適しているという。 特に音声コーデック(符号復号器、enCOder/DECoder)およびキーパッドやキーボード、便利機能ボタン、タッチスクリーンなどのヒューマンインタフェースデバイスの保護に適している。

なお同製品は、0.62mm×0.32mm×0.31mm(TSSLP-2-1、「EIA0201」の寸法と同等)と1.0mm×0.6mm×0.39 mm(TSLP-2、「EIA0402」の寸法と同等)の2つのパッケージで、すでに量産を開始している。両パッケージともRoHsおよびハロゲンフリーの指令に完全に準拠しており、パッケージの高さを抑えることで、最新のスマートフォンやタブレット、電子書籍などのデバイスへの搭載に求められる厳しい厚さ制限をクリアできるようになっている。

また、同社では、ESDシステムの強度向上および保護設計の迅速化のため、TVSダイオード用Simulation modelsの総合ライブラリを提供するとともに、適切な保護デバイスの選択を手伝う専門家コンサルタントとしてサポートを行っていくとしている。