米Silicon Laboratories(Silicon Labs)は、は、PCI Express(PCIe) Generation 1/2/3規格の仕様に対応するPCIeクロック・ジェネレータおよびクロック・バッファ製品の新製品を発表した。具体的には、低消費とコスト重視のPCIeアプリケーション向けクロック・ジェネレータ「Si5214x」とクロック・バッファ「Si5315x」、Webサイトからカスタマイズ可能な200MHzのクロック・ジェネレータ/バッファ「Si5335」の3製品で、さまざまな異なるクロック・フォーマットを必要とするFPGAやSoCベースの設計に対応し、PCIe規格にも準拠している。

クロック・ジェネレータ「Si5214x」とクロック・バッファ「Si5315x」のファミリは、2~9出力のタイミング・デバイスで構成され、競合するクロック・ソリューションに対し2倍の電力効率を達成している。低消費であることから熱損失は最低限で冷却部品の追加や電源の増強は不要となっている。最大50%のマージンでPCIeのジッタ要求を満足し、より高いシステムの信頼性とビットエラーレート性能を向上させる。

また、すべての外付けの終端抵抗を内蔵した出力バッファ技術を用いることで設計の複雑さを緩和し、部品点数、コスト、実装面積そして電力消費を削減することが可能となっている。

電磁妨害(EMI)と無線周波数妨害(RFI)を低減するために、Si5214xとSi5315xはプログラム可能なエッジ・レートおよびスキュー制御機能を各々出力に個別に備えているほか、内蔵のI2Cインタフェースを利用することで、他の部品を追加することなく信号の微調整を行い、信号完全性の問題の解決を同時進行で行うことができ、信号完全性の調整機能はEMI仕様への準拠を能率的にし、PCIeアプリケーションの市場投入を早めることが可能だという。

クロック・ジェネレータ/バッファICのSi5335は、PCIeおよびFPGAベースのアプリケーションの複雑なタイミング要求に対応するデバイスで、Webサイト上からカスタマイズが可能で、同社Webサイトから入手可能なClockBuilder Web設定ユーティリティ経由でできるようになっている。

Si5335の出力は、1~350MHzの周波数範囲で4つまでの組み合わせが設定でき、3種類までの独自のデバイス設定を1つの製品型番に書き込むことが可能。3種類の別個のクロック・ジェネレータまたはバッファと置き換えることができ、1つのカスタマイズされたSi5335を複数の設計に利用することもできる。最大5本のユーザーが割り当て可能な制御ピンを備えており、PCIeおよびFPGAベースのシステム設計を簡単にし、オプションのPCIe準拠スペクトラム拡散クロックを利用しEMI仕様への準拠を能率的にするほか、独自の特許技術である「MultiSynth分数分周テクノロジー」によって、サブピコ秒のジッタですべての出力クロックにおいていかなる周波数の合成も可能。最大ジッタ0.45ps(rms)はPCIe 3.0のジッダ要求1psの半分以下となっている。

これらのPCIeクロック・ジェネレータおよびバッファICはすでに量産中で、各種小型パッケージで供給中。1万個時の単価は、Si5214xが0.96ドルから、Si5315xは0.94ドルからで、Si5335は3.01ドルからとなっている。

なお、PCIeアプリケーションの開発を促進する評価用プラットフォームも供給されており、価格は、4出力クロック・ジェネレータ・ボード「Si52144-EVB」、4出力クロック・バッファ・ボード「Si52154-EVB」、Si5335用最新ClockBuilderデスクトップ・ソフトウェア付きクロック・ジェネレータ/バッファ・ボード「Si5338-EVB」が各125ドル、9出力クロック・ジェネレータ・ボード「Si52147-EVB」、9出力クロック・バッファ・ボード「Si52159-EVB」が各175ドル(希望小売価格)となっている。