米Atmelは、同社の32bit AVR UC3シリーズMCUの3ラインアップに合計13製品を追加したことを明らかにした。
低消費電力であるAVR UC3L向けとしては、既存のUC3L0に、新たに128KB/256KB Flashの品種を追加した(どちらもSRAMサイズは32KB)他、UC3L0とピン互換であるUC3L4を加えた。UC3L3はUC3LにUSB Connectivityを追加したものであり、64/128/256KBのオンチップFlashと32KB SRAMを搭載する。
エントリ向けのAVR UC3Dは今回新たに追加された民生機器向けのもので、低消費電力に加えと容量式タッチセンサとしてQTouchを搭載する。他にUSBフルスピード、カレンダ付きRTC、10bit ADC、USART、SPI、TWI、I2Sを搭載する。同製品はSleepWalking technologyを搭載し、スタンバイ状態からの復帰を周辺回路から行える特徴を持つ。UC3Dは既存のUC3 Bシリーズとピン互換性があるほか、GPIOピンを自由に設定できるルックアップテーブルとグルーロジックを内蔵しており、これは複数のセンサ類を接続する場合の設計を容易にする。
AVR UC3A向けには今回、高性能/高スループットを特徴とするUC3A4が追加された。これは特にセキュリティ性と高速性の両方を要求する、PC周辺機器やe-token、高速通信ゲートウェイなどの用途に向けた製品である。CPUコアは1.51DMIPS/MHzで処理を行うほか、オンボードに128KBのSRAMを搭載、うち64KBはAVRコアに直結され、残りは32KBずつ2つのブロックとして高速バスに接続されている。他にHi-Speed USB OTGとMemory-to-Memory DMA、外付けのECC付きMLC NAND、USART/SPI/TWIのほか、オーディオ出力向けにI2SとDACを搭載する。また128/192/256bit AESの暗号/復号化ハードウェアも用意され、22MB/secのスループットを可能とする。
これらの製品はいずれも同社のAVR Studio 5及びAVR Software Frameworkでサポートされる。またAVR ONE!やJTAGICE3 ONE!、AVR ONE!などに対応したJTAGデバッガを利用できるSTK600を使っての開発も可能である。
AVR UC3L0/UC3L4に関しては、AT32UC3L0256とATUC256L4が48pinのQFN/TQFPパッケージでサンプル出荷を行っている。価格は1万個発注時に2,292ドルからとなっている。またAVR UC3A4に関しては、AT32UC3A4256とAT32UC3A4256Sがサンプル出荷を開始中で、1万個発注時の価格は4,208ドルからとなっている。AVR UC3DについてはATUC128D3がサンプル出荷を開始しており、1万個発注時価格は2,945ドルからとなっている。