STMicroelectronicsは、燃費と二酸化炭素排出量の改善を可能にする先進的ネットワーク技術に対応した車載用IC「L99PM72PXP」を発表した。
同製品は、「パーシャル・ネットワーク」を利用することで不使用モジュールを個別にオフにし、燃費改善を実現するデバイス。パーシャル・ネットワークは、最新のCAN仕様(ISO 11898-6)に基づく新機能で、モジュールのメイン・プロセッサが作動していなくても自律的にCANバスをモニタすることができ、適切なアドレスに対するウェークアップ信号を検出した時のみ、モジュールをアクティブにする。このようにCANネットワークを部分的に非アクティブ化することで、全体的な消費電力の低減に貢献する。これにより平均的な自動車の二酸化炭素排出量を2g/km以上削減することが可能となっている。
このほかL99PM72PXPの独自機能として、ECUの持続性・信頼性を向上させる先進的なフェイル・セーフ機能が搭載されている。マイクロコントローラ、電源電圧および温度管理などの内蔵機能により、さまざまな故障を未然に防ぐことが可能。さらに、ハイサイド/ローサイドのゲート・ドライバ、オペアンプ、電圧レギュレータなど、コスト効率に優れたペリフェラルにより、外付け部品点数が減少し、全体的なシステム・コストの低減が可能になっている。
さらに、高速CAN(HS-CAN)とLINの両方の物理層を内蔵することにで、完全なカーボディ・アプリケーション向け電子制御ユニット(ECU)の構築に必要となる全機能を提供することが可能となっており、空調制御モジュールおよびドア制御ユニットに加え、シート・モジュール、トランク/トレーラ・モジュール、サンルーフ/リアビュー・モジュールなど、特定用途向けに最適化さされた機能を搭載している。
なお、同製品は同社とドイツの大手自動車メーカーとの緊密な共同作業の成果で、その自動車メーカーは最初のユーザとして同製品を採用する予定であるとしている。2012年第3四半期には量産を開始する予定で、PowerSSO-36パッケージにて、1000個購入時で約2.95ドルで販売される予定となっている。