STMicroelectoronicsとマサチューセッツ工科大学(MIT)のMicrosystems Technology Laboratories(MTL)は、ヘルシンキで開催されたESSCIRC 2011(EuropeanSolid-State Circuits Conference)で、電圧スケーリング機能を備えた32ビットSoCを発表した。

発表されたSoCは、優れたピーク性能と極めて高い電力効率を両立しており、医療機器、ワイヤレス・センサ・ネットワークおよびモバイル機器分野の使用電力量が制限されるアプリケーションに最適だという。STの65nm CMOSプロセスにより作成されており、SRAMメモリ・セルが0.4Vで動作する一方、消費電力を10.2pJ/cycle(0.54V時)まで低減している。

また、メモリ・アクセスの消費電力は、小型のラッチ・ベースの命令/データ・キャッシュを階層の第1レベルで使用することにより、さらに低減できる。また、内蔵の低消費電力クロック生成およびADコンバータ、最小の電源電圧で動作するタイマやシリアル・インタフェースなどのペリフェラルがある。

STの戦略・システム技術部門グループ・バイスプレジデント 兼 先端システム技術部門ジェネラル・マネージャであるAlessandro Cremonesi氏は「この技術は、消費電力の最小化ならびにバッテリの長寿命化が極めて重要なワイヤレス・センサおよび組込み型医療機器向け次世代マイクロプロセッサの開発を可能にする。STは、MITとの協力を通し、超低消費電力技術に関する業界の可能性の拡大に貢献したいと考えている」としている。