Analog Devices(ADI)は、電力量計および電力品質監視機器向けに、リアルタイムの高調波解析を提供する電力量計IC「ADE7880」を発表した。
同製品は、7個のΣΔ A/Dコンバータ(ADC)、1個のデジタル積分器、電圧リファレンス、そしてすべての計測信号処理機能を内蔵しており、クラス0.2規格のメータに適合した多相電力量計向けに設計されており、電力の量と位相に関する情報を含めた包括的な高調波解析を提供することが可能。
63次の高調波成分まで、ダイナミックレンジ2000:1にわたって、<1%の精度を実現しているほか、ダイナミック・レンジ5000:1では<0.2%の有効/無効エネルギー測定精度、ゲインのキャリブレーションのみでダイナミック・レンジ1000:1にわたり、<0.1%の精度が実現可能だという。
また、同社の独自技術である「ARTM(Adaptive Real-Time Monitoring:適応リアルタイム・モニタリング)」という高調波解析技術が初めて採用され、これにより基本周波数の変化を自動的に追従することが可能となったほか、周波数ドリフトの測定精度に対する影響も除去できるため、カスタマは複雑なデジタル信号処理の開発で煩わされることもなくなり、システム・マイクロコントローラも不要にすることが可能となる。
各高調波について、電圧や電流のrms値、力率、有効/無効電力、皮相電力を計算することが可能で、THD+N(全高調波歪+ノイズ)比、および高調波歪の基本周波数に対する比も計算することが可能。
なお、同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、量産出荷は2011年11月からを予定、1000個受注時の単価は9.47ドル(米国での販売価格)としている。