Freescale Semiconductorの日本法人であるフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは9月13日に開催した同社のテクノロジーフォーラム「Freescale Technology Forum Japan 2011(FTF Japan 2011)」にて、高いEMCとESD耐性を実現したことで自動車内のネットワーク通信の強化を可能とするLIN物理層のコンポーネントとしてLINの最新の車載機器メーカー承認規格LIN2.1およびJ2602-2に準拠した「MC33662」ファミリを発表した。

同ファミリは車載および産業用LIN規格との互換性を備えたスタンドアロン型のLIN物理層コンポーネントで、ウォータポンプ、リヤ・ウィンドウのワイパー、後部座席の温度調節、リモコン、コラム・ポジションセンサ、アクセサリ・スイッチモード、シートメモリ、ウィンドウ操作およびサンルーフ制御などのアプリケーションに対応可能だという。

低周波数においては、15dBμV以下のノイズエミッションを実現しているほか、1GHzまで36dBmの大電力信号BCI(Bulk Current injection)に対し外付けキャパシタなしで対応可能となっている。

また、ESD耐性としてはISO10605規格試験に基づき、非動作時15kV以上、動作時10kV以上を実現しているほか、ローパワーモードにおいては6μAの待機時電力を実現している。

車載ネットワークとしてのLINは今後も拡大が期待される。高機能な製品を提供することで、競合との差別化を図ろうというのが同社の狙い

同ファミリには10kbpsボーレート品「MC33662J」、20kbpsボーレート品「MC22662L」、20kbpsボーレートでトランスミッタとレシーバの対称性の制限付き品「MC33662S」の3製品が用意されており、いずれもすでに量産出荷を開始している。

なお、同社では同製品をスタンドアロンとしての提供だけではなく、IPとしてほかの製品ファミリなどにも組み込むことで、車載向け半導体製品群の機能強化を図っていくとしている。