インターワークスとL.L.Planningはこのほど、全国の大学生・専門学生300人に対して実施した「ソーシャルメディア利用と社会人基礎力」の調査結果を発表した。同調査では、Facebook、mixi、Twitterを利用している学生とソーシャルメディアを使用していない学生の社会人基礎力を比較している。
インターワークスは、昨今の新卒の就職市場において、学生側からは「企業のエントリーシートが書けない」「志望動機が分からない」という声が、一方、企業側からは「業務内容も理解していない学生が多い」「求める人材と出会えない」という声をよく聞くが、その背景には、企業も学生も互いを理解しておらず、結果として内定率の低下、求める人材とのミスマッチなどの問題を引き起していると指摘している。
同社はこうした課題の解決策として、個人間のつながりや情報発信が可視化されやすいソーシャルメディアの利用が有効と思われるが、現時点では、ソーシャルメディア上に企業が求める人材がいるかどうか不明なため、今回の調査を行ったとしている。
企業が求める人材の定義として用いられたのが社会人基礎力だ。社会人基礎力とは、経済産業省が提唱している「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」で、3つの能力・12の能力要素から構成される。
同調査では、経済産業省が定める3つの能力と12の能力要素について、Facebookを利用する学生、mixiを利用している学生、Twitterを利用している学生、ソーシャルメディアを利用している学生について比較している。
その結果、Facebookを利用している学生はソーシャルメディアを使用していない学生と比べて社会人基礎力が高い傾向が見られ、特に主体性(9.1点)、創造力(7.9点)、課題発見力(6.7点)、発信力(6.2点)がソーシャルメディアを未使用の学生よりも高いことがわかった。
一方、mixiを利用している学生とTwitterを利用している学生に関しては、ソーシャルメディアを使用していない学生と比べて大きな差異は見られなかったという結果が出ている。
Facebook、mixi、Twitterのうち、最も使うソーシャルメディアを聞いたところ、mixiが56%、Twitterが33%、Facebookが11%という回答が得られた。1日にアクセスする頻度については、「4~10回」(36%)が最も多く、これに「1~3回」(27%)、11回以上(22%)と続く。ソーシャルメディアで実名利用の有無については、「はい」が51%、「いいえ」が49%と二分しているが、プロフィールに自分の写真の利用の有無は「はい」が34%、「いいえ」が66%と、「写真利用派」が少数派という結果になった。