National Semiconductor(NS)は、オンチップ・パワーマネジメント・バス(PMBus)サポート機能付きの高耐圧システム・パワーマネジメント/プロテクションIC「LM5066」および「LM5064」を発表した。LM5066はすでに出荷を開始しており、LM5064の量産品の出荷開始は2011年8月を予定している。2製品とも放熱特性を向上させた28ピンのTSSOPパッケージで、1,000個一括購入時の価格は4.95ドルとなっている。
LM5066は入力電圧48V品で、LM5064は入力電圧が-48V品であり、いずれもルータ、スイッチ、基地局などのシステムで電気的動作状態の正確な測定、制御、管理を行う、高性能システム・プロテクション/マネジメント・ブロックを集積している。
後段の部品を損傷するホットスワップまたは過渡変動によってダメージを与える突入サージ電流からの継続的な保護を行いながら、各カードまたはブロックへの電力を正確に測定し、高耐圧システムのために完全なサブシステム・パワーマネジメント機能を提供する。また、消費電力と故障状況を正確に測定しながらシステム電流と電力の継続的なモニターと制限を行う、同社独自のホットスワップ・アーキテクチャを採用しており、システム・マネジメント・ホストに対し、システムの各ノードの電力、電圧、電流、温度、故障のリアルタイム・データを継続的に提供するほか、システム・マネジメント・バス(SMBus)通信インタフェースがPMBusプロトコルによるデータ伝達を行い、ホストのシステム診断/最適化ルーティンが、システム信頼性の向上と総消費電力の最小化を実現することも可能だ。
さらに、入力電圧範囲はLM5066が10Vから80V、LM5064が-9Vから-80Vで、両製品とも広範な中間バス電圧と負荷電流に対応するため、選択可能な25mV/50mVの電流制限スレッショルドを提供する。測定ブロックは全温度範囲にわたって4.5%の精度で、1秒に1,000回の電流/電圧測定を行うほか、電流と電圧の同時サンプリング機能により、システム消費電力の真の電力測定を行うことが可能。加えて、測定ブロックはユーザーによるプログラムが可能な時間枠を通じて、ピーク電流とピーク電力のキャプチャと、サブシステムの動作パラメータ(Vin、Iin、Pin、Vout)の平均値の計算を行い、処理に伴う外付けマイクロプロセッサの負担を軽減することができる。
温度モニタリング・ブロックは、外付けMOSFETまたはその他の重要な温度ソースの温度測定のため、低コストの外付けダイオードと接続され、2製品ともにシステムの全パラメータの状態と故障状況を、SMBusインタフェースを通じてレポートし、すべての故障に対して個別にプログラム可能な警告スレッショルドを提供するため、設計のフレキシビリティとダイナミックなシステム保護が実現できると同社では説明している。