Hyper-V Server 2008 R2 SP1がサポートするゲストOS

Hyper-V Server 2008 R2 SP1でサポートされているゲストOSは次のとおり。Windowsプラットフォームに加えて、Red Hat Enterprise LinuxやSUSE Linux Enterprise Server、Cent OSがサポートされている。

  • Windows Server 2008 R2
  • Windows Server 2008 (x64版およびx86版)
  • Windows Server 2003 R2 (x64版およびx86版)
  • Windows Server 2003 (x64版およびx86版)
  • Windows Server 2000
  • Windows 7 (x64版およびx86版)
  • Windows Vista (x64版およびx86版)
  • Windows XP Professional (x64版およびx86版)
  • SUSE Linux Enterprise Server 10 SP3 (x64版およびx86版)
  • SUSE Linux Enterprise Server 11 (x64版およびx86版)
  • Red Hat Enterprise Linux 5.2、5.3、5.4、5.5 (x64版およびx86版)
  • Cent OS 5.2, 5.3, 5.4, 5.5 および 5.6 (x86 または x64 Edition)

コンシューマやSOHO向けに用意された廉価版エディションはゲストOSとしてサポートされていないものが多い。詳しいサポート一覧が「Hyper-V におけるゲスト オペレーティング システムのサポート: Windows Server 2008」に掲載されているので、ゲストOSを検討する場合にはそちらを確認してほしい。

複数OSを動作

では、Hyper-V Server 2008 R2 SP1の上で実際に複数のOSを動作させてみよう。

ここでは、Hyper-V Server 2008 R2 SP1にインストールするゲストOSとして、次の3つを選択した。Hyper-Vを使った仮想化を導入するうえで代表的なところをカバーしたつもりである。

  • Windows 7 SP1 - Windows 7 SP1にはHyper-V  Server 2008 R2 SP1 が提供する最新の「統合サービス」が最初から組み込まれており、Hyper-V仮想マシン上では追加のコンポーネントをインストールせずに利用できる。Windows Server系も同様。最もHyper-Vで扱いやすいゲストOSの種類。
  • Windows XP - Hyper-Vでサポートされているものの、後から「統合サービス」のインストールが必要なOS。「統合サービス」がインストールされないとネイティブなネットワークが利用できないため、この作業が重要になる。ここではWindows XPを選択しているが、正式サポートされているLinux系のゲストOSを使用する場合も、別途提供されているコンポーネントをインストールする必要がある。
  • Ubuntu - Hyper-Vで正式サポートされていないタイプのOS。正式サポートされていないOSでもHyper-Vで利用できるものは多い(ただし、自己責任での利用となる)。LinuxはLinuxカーネル2.6.32以降にHyper-V対応コードがマージされており、まったくサポートされていないOSと比べると活用しやすい。

以下、それぞれのOSについてインストールとセットアップにおける特徴や注意すべきポイントなどをまとめておく。

ゲストOSインストールの準備 -仮想ネットワークの作成

ゲストOSからネットワークに接続するには、Hyper-V側に仮想ネットワークを作成しておく必要がある。ゲストOSをインストールする前に、NICに対応づけた仮想ネットワークを作成しておく。仮想ネットワークは「Hyper-V マネージャー」から「仮想ネットワークマネージャー」を立ち上げて作成する。

「仮想ネットワークマネージャー」で新しく「仮想ネットワーク」を作成する。種類は「外部」を選択

わかりやすい名前をつけるとともに、対応する物理NICを指定する

仮想マシンを作成する段階で、ここで作成した仮想ネットワークを指定する。インストールされるゲストOSが対応しているか、またはゲストOSにサポート済みのWindowsプラットフォームをインストールする場合には、「統合サービス」がこの仮想ネットワークを認識して動作するようになる。

Hyper-Vには「統合サービス」が利用できない場合を考えてレガシーNIC(エミュレータとして動作)が用意されているが、できるだけ「統合サービス」による高速なネットワークを利用するほうがよいだろう。