米LinkedInが19日 (現地時間)、米ニューヨーク証券取引所に上場し、初日の取引を109%高の94.25ドルで終えた。同社はビジネスに特化したソーシャルネットワーキングサービス (SNS)を運営している。米Google (2004年8月)以来のインターネット企業の大型IPO (新規株式公開)として、また米大手ソーシャルメディア企業の初の株式公開として、投資家の大きな注目を集めていた。

LinkedInは5月最初の週に公開価格のターゲットを32-35ドルに設定していたが、17日 (同)に約30%増の42-45ドルに引き上げ、同社に対する投資家の関心の高さを印象づけた。最終的には784万株を45ドルのIPO価格で売り出し、また117万6000株を追加割当分として用意した。初日の取引は一時122.70ドルを付け、109.44%高の94.25ドルで終わった。時価総額は89億1000万ドル。

創設者のReid Hoffman氏(左)とCEOのJeff Weiner氏

過去のIT企業のIPOにおける初日の株価の伸びをふり返ってみると、Googleは18%高 (85ドル→100.33ドル、2004年)、Amazon.comは31%高(18ドル→23.50ドル、1997年)、eBayは163%高 (18ドル→47.38ドル、1998年)、百度が353%高 (27ドル→122.54ドル、2005年)となっている。

LinkedInの好調なすべり出しを受けて、他のソーシャルメディアも株式公開に動き出すのではないかという投資家の期待が高まっている。2012年のIPOが噂されるFacebook、さらにTwitter、Zynga、Groupon等々だ。

一方で取引開始直後から買いが殺到した過熱ぶりに、ドットコムバブルを重ね合わせる声も少なくない。ただ90年代後半のネット企業に比べると、LinkedInは地に足をつけたビジネスを展開している。広告、サブスクシプション、採用サービスなどのビジネスモデルを確立しており、2010年に前年比102%増の売上高2億4300万ドル、純利益1540万ドルを達成した。またソーシャルネットワーキングサービスは先に登録者を集めたサービスが勝ち残る傾向が強く、かつてのドットコムブームのように新会社が林立するような状態にならないのも、ビジネス分野のSNSを開拓したLinkedInの評価につながっている。