Analog Devices(ADI)は、産業や計測、自動車用アプリケーション向けに、最高±22Vまでの動作とラッチアップ保護を保証する高電圧、耐ラッチアップ機能付きクワッドスイッチ「ADG5212」および「ADG5213」を発表した。
ラッチアップは、電源を切らない限り高電流状態が続いてしまう現象で、デバイス故障を引き起こす要因にもなっている。2製品では、4個の独立したSPST(単極単投)スイッチを内蔵し、3pFオフ容量、435MHzで-3dB帯域幅、電荷注入0.07pC@0V、最大リーク電流400pA@125℃の特性を実現しており、同現象を抑えることが可能となっている。
これにより、2.5kV HBM(人体モデル)ESD定格により、機器に過電流が流れるのを防ぎ、設計者による追加の保護回路の取り付けが不要となっているほか、各CMOSスイッチを構成するNチャンネルやPチャネル・トランジスタ間のトレンチアイソレーションにより、耐ラッチアップ保護機能を保証している。
また、アナログ信号がバイポーラもしくはユニポーラのアプリケーションの場合、それぞれ±9Vから±22V、+9Vから+40Vまで動作可能なほか、ON状態では双方向に等しく動作し、電源電圧までの入力信号範囲に対応する一方で、OFF状態では、電源電圧までの信号レベルを遮断。スイッチはマルチプレクサアプリケーション用に、ブレーク・ビフォア・メーク・スイッチングで動作する。
なお、2製品ともにすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価はそれぞれ2.18ドルとなっている。