Texas Instruments(TI)は、FRAM搭載の低消費電力16ビットマイコン「MSP430FR57xx」FRAMシリーズを発表した。同シリーズ製品のサンプルおよび開発ツール群は順次供給を開始する予定で、1万個受注時の単価は(参考価格)は1.20ドルからとなっている。

TIのFRAMマイコン「MSP430FR57xx」のパッケージイメージと活用イメージ

同シリーズは、同社の低消費電力130nm組み込み用FRAMプロセスで製造されており、従来のフラッシュメモリおよびEEPROM内蔵のマイコンシステム製品と比較して、FRAMの特性を生かすことで、100倍を超すデータ書込速度と同時に250分の1未満の低消費電力を実現するという。

また、オンチップFRAMは、すべてのパワー・モードでデータの保持および、100兆回を超える書き込みサイクルをサポートするほか、ソフトウェアの変更により、MPU(メモリ保護ユニット)によるデータメモリとプログラムメモリのパーティション変更が可能なため、これまでにない、高い柔軟性を提供すると同社では説明している。 具体的には、FRAMからのプログラム・コード実行時に動作電力を従来ソリューション比で最高50%低減、アクティブ・モードで100μA/MHz、リアルタイム・クロック・モードで3μAの低消費電流特性を提供する。また、100兆回を超える書き込みサイクルと、高い耐久性を実現しており、連続的なデータ・ロギングをサポートし、高価格の外付けEEPROMや、バックアップ電池とSRAMが不要となる。

さらに、単一構成のメモリマップを提供することから、開発メーカー各社はプログラム、データおよびキャッシュのメモリ・パーティションをソフトウェアで簡単に変更でき、管理の簡素化やシステム・コストの削減を提供できるようになるほか、すべてのパワー・モードでデータの書き込みおよび保持を保証しているため、コードの安全性の確保、開発作業の簡素化、メモリのテスト費用の削減、最終製品の信頼性向上を提供している。

最高16kBの内蔵FRAMのほか、10ビットA/Dコンバータ、32ビット・ハードウェア乗算器、最高5基の16ビット・タイマおよび、強化された複数のSPI/I2C/UARTバスをはじめとした、アナログおよびコネクティビティ・ペリフェラルのオプションも提供しているほか、同社16ビットマイコンの「MSP」プラットフォームとの間でコード互換性が確保されており、各種の開発ツール群や包括的な資料、ユーザー・ガイドおよびコード例を利用可能となっている。