新日本無線は5月10日、カスタムICに比べ開発期間を短縮でき、より手軽に用途に応じた専用アナログICを実現できる「アナログマスタースライス」の受注を開始したことを発表した。

アナログマスタースライスのパッケージ画像

アナログマスタースライスは、トランジスタ、抵抗、コンデンサなどの素子やオペアンプなどの回路ブロックをウェハ上にあらかじめ形成しておき、配線層のみ変更することで、カスタマの用途に応じた専用アナログICを実現するサービス。

配線層以外の素子形成工程を事前に行っているため、配線レイアウト設計完了後、最短4週間程度でES(Engineering Sample)を提供できるという。

従来、ディスクリート回路などの集積化を行う場合、汎用ICの利用またはカスタムICの開発依頼を行うケースがあったが、汎用ICでは機能が足りず使いづらい、カスタムICでは開発期間が一般的な場合で24週程度かかることやコストの面で敷居が高いなどの課題があった。同サービスはこれらの課題に応えるためのもので、使用プロセスとしては耐圧5インチ・バイポーラを採用、最大動作電圧40Vで車載対応も可能だという。

提供ラインアップとしてはトランジスタ・アレイ型が3品種、マクロセル型が3品種を計画しており、カスタマの要望に応じて、ウェハテストのほか、ファイナルテスト、バーンインテスト、パッケージ封止のサービスも受託するという(ウェハテスト以外は、製造子会社である佐賀エレクトロニックスの受託サービスを紹介するとしている)。