Analog Devices(ADI)は、競合デバイス比で消費電力を30%、パッケージ・サイズを60%削減し、-40℃から+125℃の温度範囲で動作するダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)IC「AD9838」と「AD9837」を発表した。2製品ともにすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価(米国における販売価格)はAC9838が2.10ドル、AD9837が1.65ドルとなっている。

ダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)IC「AD9838」のパッケージイメージ

2製品は、最大16MHzのクロックレート動作時で、消費電力11mWを実現しており、バッテリ駆動機器で要求される高いレベルの電力性能を満たしつつ、高品質の正弦波、方形波、および三角波出力を発生させることができるようになる。

また、高周波数においても、高精細な分解能でナノ秒以内にセトリングが可能なほか、低消費電力の10ビットD/Aコンバータ(DAC)を内蔵しており、28ビットの周波数分解能と68dBを超えるワイドバンドSFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)性能により、目的とする周波数で安定した信号を発生させることが可能となる。

さらに、さまざまな通信および変調機能を集積しているため、シングル・トーン(CW)、2FSK、2PSK、QPSK、周波数掃引機能、さらに振幅変調(AM)の信号発生が可能。これにより通信システムの設計を簡素化でき、開発リスクやコストの低減が可能になると同社では説明している。