富士通セミコンダクター(FSL)は4月21日、2010年11月に発表したARM製Cortex-M3コアを採用した32ビットRISCマイコン「FM3ファミリ」の第2弾として、ベーシックグループの「MB9A310シリーズ」および「MB9A110シリーズ」として合計52製品を開発、3月より順次サンプル出荷を開始することを発表した。これにより、FM3のベーシックグループ製品は、合計60製品に拡充されることとなる。
FM3のベーシックグループは、上位製品であるハイパフォーマンスグループの高性能な周辺機能を継承しつつ、低消費電力化とコストバランスを意識した製品グループ。
搭載している書き込み回数10万回、保持特性20年を実現していうNOR型フラッシュメモリは512KB~64KBのバリエーションが用意されたほか、これまでの製品パッケージは120~100ピンであったものを、112ピン~64ピンまで拡大することで、カスタマの選択の自由度と高いコストパフォーマンスを実現させた。
また、駆動電源電圧5.5V~2.7Vの範囲で駆動することが可能であり、CPU性能と高速フラッシュメモリにより40MHzまで待機時間なしで応答することが可能。
さらに、モーター制御に定評のあった同社のFRマイコン周辺機能群の継承と、高精度モーター制御に対応するために各種周辺マクロを進化。高精度・高速変換12ビットA/Dコンバータ(±2LSB 1.0μs変換)を実現したほか、3ユニット・最大16ch搭載によるモーター位置精度の向上や、モーター回転位置を検出するためのクアッドカウンタ(モーター回転位置検出カウンタ)の搭載によるCPUへの負荷低減を可能としている。
加えて、各種タイマー群やUSB2.0 Host/Functionなどの機能を搭載しており、幅広いアプリケーションに対応することが可能となっている。
なお、同社では、FM3ファミリとして「Global」「HighPerfomace」「Reliability」をコンセプトに、使いやすく・選びやすい・信頼性の高い製品を目指したブランドロゴを制定したことも併せて発表している。