Texas Instruments(TI)は、同社のメディアプロセッサDaVinci「TMS320DM81xx」を搭載したIP cameraのリファレンスデザインキットを発表した。このリファレンスデザインを使うことで、ビデオ監視システムなどで利用されるIP監視カメラなどを、より簡単に構築できるようになるとする。
IPカメラのリファレンスデザインキットは最大10M pixelsの解像度をサポートし、フレームレートを落とすことで消費電力削減を図り、ミニドームに収められるサイズで提供され、搭載したTMS320DM812xにより、特にHDクオリティでのビデオ監視システムに最適としており、DaVinciに搭載されるDSPを使うことで、低輝度環境においても例えばナンバープレートの認識や人物の顔検出などが可能になるとしている。
一方DVRリファレンスデザインは、アナログカメラやIPカメラとの混在などもサポートしており、既存のインフラをそのまま流用できるとしており、最大32ch以上のリアルタイムD1映像をサポートし、H.264 Highプロファイルによる圧縮を行うことで、既存のDVR製品に比べて2.6倍の圧縮が実現できるとしている。同社によれば、例えば既存の1TBのHDDを搭載したDVRと同じ画質・同じ記録時間を350GBのHDDで実現できるとの事である。リファレンスデザインには1GHz駆動のTMS320DM8168が搭載され、内蔵するDSPを使ってマルチチャネル分析が可能とされる。またネットワーク対応も用意されるほか、リファレンスキットにはHDMI出力を含む3面の独立したディスプレイ表示が可能である。
DVRリファレンスデザインは「DM8168DVR-UD1」の型番で1,295ドルで購入可能である。またIPカメラのリファレンスデザインは「TMDXIPCAM8127J3」として995ドルで購入可能となっている。どちらのリファレンスデザインも、そのまま量産可能な設計図/ガーバーファイル、ロイヤリティなしのLinuxベースのDVR/IPカメラアプリケーションソフトウェア、及びそのソースコードが付属する。