Analog Devices(ADI)は、次世代通信システム向け集積RF復調器「ADRF6801」を発表した。すでに量産を開始しており1,000個受注時の単価は9.98ドル(米国における販売価格)となっている。

集積RF復調器「ADRF6801」のブロック図

同製品は、広いダイナミック・レンジの復調回路に、同社のフラクショナルN PLLシンセサイザおよび低位相ノイズのVCO(電圧制御発振器)を集積していることに加え、RFバラン、複数個のLDO(ロー・ドロップアウト・レギュレータ)、ベースバンド・バッファ・アンプを内蔵した高集積デバイス。

このため同製品を用いることで、無線機器設計者は、性能を犠牲にすることなく回路基板面積の縮小と部材費(BOM)や設計リスクの低減ができるようになるほか、開発時間の短縮も図れるようになると同社では説明している。

750MHzから1150MHzの周波数範囲で動作し、14.3dBのノイズ・フィギュア、+25dBmの入力IP3(3次インターセプト)、+12.5dBmのP1dB(入力圧縮点)が特長となっている。また、PLLプログラミング向けにSPI/I2Cシリアル・インタフェースをサポートする一方、デバイス側では外部LO(ローカル・オシレータ)か内部生成LO信号かを選択できるオプションが提供される。

1パッケージで複数のRF機能を実行できるほか、次世代通信システム向けの広いダイナミック・レンジのレシーバをサポートすることができるため、同社ではRFIDシステムや携帯電話基地局のほか、ポイントtoポイント(2地点間)無線、衛星通信、VHF/UHF無線、防衛システム、産業用機器をはじめ、広いダイナミック・レンジと低ノイズ性能を必要とするアプリケーションに適用できる製品と説明している。