ルネサス エレクトロニクスおよびルネサス モバイルは2月15日、スマートフォンやタブレットPCなどの各種携帯機器向けに、3Dグラフィックス処理機能を内蔵し、動画・カメラといったマルチメディア機能処理を行うアプリケーションプロセッサ「SH-Mobile APE5R」を搭載したアプリケーションプラットフォームと、LTEなどに対応したモデムプラットフォームを統合したモバイルプラットフォーム「MP5225」を発表した。2011年6月よりルネサス モバイルからサンプル出荷が開始され、2011年末の量産を予定している。

モバイルプラットフォーム「MP5225」に搭載される「SH-Mobile APE5R」

SH-Mobile APE5Rは、低消費電力ながら高い性能を実現した独自の動画処理アーキテクチャを採用することで、3D映像の録画・再生を30fpsで行うことができることに加え、H.264方式のフルHD(1920×1080画素)動画のコーデック機能のほか、今後、市場で追加されていくさまざまなコーデックに関しても随時対応が図られる予定。

また、英Imagination Technologies(IMG)製IPである「POWERVR SGX543 MP」を搭載することで、より高い2D/3Dグラフィックス処理性能を実現。これによりOpenGL ES、Open VGに対応したほか、今後はOpen CLにも対応していく予定としている。

さらに、CPUコアにはARMの「Cortex-A9」を2個搭載しており、合計6000DMIPSの処理性能を実現しているほか、24ビットのオーディオ専用DSPエンジンの内蔵や、HDMIやカメラモジュール、BluetoothやワイヤレスLANモジュールなどの各種インタフェースをサポートしている。

一方、ベースバンドプロセッサとして、LTE/HSPA+/GSM対応のトリプルモードモデムチップや、RFトランシーバ IC、パワーアンプ、電源ICなどから成る、ルネサス モバイルのモデムプラットフォーム「SP2531」を統合させており、これによりMP5225を65nmのマルチモードLTEトランシーバICやマルチモード/マルチバンドのパワーアンプモジュールと組み合わせることで世界各国で異なる周波数帯に対応する小型のRFサブシステムの設計が可能となると同社では説明している。