Analog Devices(ADI)は、ECG(Electrocardiograph:心電図)システム向け完全集積AFE(アナログ・フロントエンド)チップ・シリーズの第1弾製品として「ADAS1000」を発表した。すでにサンプルおよび評価ボードの出荷を開始しており、1000個受注時の単価は28ドルとなっている。

ADIの完全集積AFEチップ・シリーズの第1弾製品「ADAS1000」

同デバイスは、AAMI(医療器具開発協会)やIEC(国際電気標準会議)の仕様に準拠しており、高性能なECGシステムで求められる、ペースメーカー・パルス検出機能や呼吸測定機能が内蔵されており、これにより5電極ECGシステムの設計では最大で50個必要となる周辺部品を、ADAS1000と数個のディスクリート部品で実現することが可能となる。

また、5ECG電極測定の場合では19mWで作動可能なほか、未使用のチャネルや機能はすべてタイミングにあわせ、Disable化が可能で、消費電力を1リードで11mWまで低減することが可能だ。

さらに、最終製品の標準規格をクリアする0.05Hzから150Hzにわたる10μV pk-pkのノイズ性能を実現しているほか、さまざまなデータ・フレーム・レート(2kHz/16kHz/128kHz)を提供することで、データ・キャプチャの容易性を保証している。

なお、すでに提供を開始しているフル機能評価ボードには、AFE、電源、開発および製造を容易にするための制御およびインタフェース・オプション、および最終的な実装向けにAFE(5から12リード)を配置する機能が含まれている。