米Microchip Technologyは、同社の32bit MCUであるPIC32シリーズに、新たに6製品(PIC32MX5/6/7)を追加したことを発表した。

今回発表の製品はEthernet/CAN/USBおよびシリアル通信回路を内蔵するほか、新しい省コストのメモリオプションを搭載し、さらにアクティブ時の消費電流を0.5mA/MHzに抑える省電力技術と、2万回の読み書きサイクルに耐え、EEPROMエミュレーションを改善したFlash Memoryを搭載する。

新たに発表された「PIC32MX5/6/7」における機能ブロック図および活用イメージ

従来製品とのピン互換も保たれており、これにより既存の製品からのマイグレーションも最小のコストで実現可能としている。MCUコアには80MHz駆動のPIC32 MCUが利用され、1.56DMIPS/MHzの性能を維持しつつ、低価格での提供が可能になったとしている。今回提供される製品はまた、32KBのRAMの他に最高140KBのFlash Memoryが搭載される製品も含まれる。

今回のPIC32MX5/6/7は、例えばPOSやWeb端末、マルチプロトコルブリッジといった通信制御系、自動制御や医療機器、セキュリティモニタといった産業/医療機器系、オーディオやMP3デコーダ、各種ディスプレイやスモールアプライアンス、フィットネス機器などの民生機器系、およびアフターマーケットの車載機器や盗難防止アラーム、GPSといった車載系に広く利用できると同社は説明する。

同社のPIC32 Ethernet Starter Kit(72ドル)を使うことでEthernetベースでの開発が可能である。またPIC32 USB Starter Kit II(55ドル)を使うとUSBベースでの開発が可能である。もしすでにExploler 16 Development Boardを所有している場合、今回の新シリーズ用のプラグインモジュール(25ドル)を購入することで開発が可能となる。

PIC32MX5/6/7シリーズ6製品は、すでにサンプル出荷と量産を開始している。また6製品とも、100pinのTQFP 12mm×12mmパッケージとTQFP 14mm×14mmパッケージおよびBGAパッケージ、さらには64pinのTQFPおよびQFNパッケージも用意されている。1万個あたりの価格は、最廉価のPIC32MX534F064Hで1個あたり3.71ドル、最高価のPIC32MX764F128Lで1個あたり4.93ドルとなっている。