富士通セミコンダクター(FSL)は2月3日、携帯電話、スマートフォン(多機能携帯電話)や電子書籍端末などのモバイル機器向けのRFパワーアンプ用の電源ICとして、6MHz昇降圧DC/DCコンバータIC「MB39C326」を開発、2011年6月よりサンプル出荷を開始することを発表した。サンプル価格は300円を予定、量産時には月産80万個の販売を目指すとする。
同製品は、動作周波数が2~3MHzの従来品に比べ6MHzと高速化することで、インダクタ値を低減(推奨0.5μH)することが可能。これにより、インダクタの部品サイズを縮小することが可能となり、電源部の実装面積を従来品比で約2分の1に縮小することが可能となる。
また、リチウムイオン電池の出力電圧は放電とともに低下するが、低下したリチウムイオン電池の出力電圧を昇圧回路で上昇させることで、パワーアンプ出力に必要な電力を得ることが可能。これにより、電池電圧が低下しても、大容量データ伝送に必要な電力を供給することが可能となる。
さらに、昇降圧回路に対する新制御方式の採用とプロセス技術の改善により、スイッチング電流を削減して高効率による電力供給を実現しており、さらなる小型化が求められる携帯電話やスマートフォン、電子書籍端末などのモバイル機器への搭載を可能とするとともに、データ転送の大容量高速化対応を実現することが可能となる。