ルネサス エレクトロニクスは1月24日、信号の伝達を光で行ないパッケージ内部で完全に電気的絶縁される仕組みをもつ光MOSFET「PS7901D-1A」を製品化、即日サンプル出荷を開始したことを発表した。サンプル価格は200円で、2011年度上期からの量産を計画。量産数量は月産100万個を予定している。
光MOSFETは、入力側に電気信号を光へ変換する発光ダイオードと、出力側に光を電気信号へ変換する受光素子および出力のMOSEFTの3種の素子を1パッケージに封入し、信号の伝達を光で行うことで入力側と出力側が電気的に完全に絶縁される仕組みを有する半導体リレーとも呼ばれる製品。
同製品は、これまでのフォトカプラや光MOSFETの開発で培ってきた技術を活用することで、パッケージの内部構造を改良。従来のパッケージ内部において左右から伸びるリードフレームの高さを互い違いにする構造から、リードフレーム同士が向かい合わせになる構造に変更することで、必要な発光素子と受光素子の距離や角度を実現しており、これにより、実装面積は従来のフラットリードパッケージ比で約40%削減となる2.9mm×2.3mmとしながらも、従来品同様の絶縁耐圧500Vr.m.sを保証可能としている。
また、出力素子として採用しているMOSFETは、独自のSOI技術を適用することで、0.75pFの低出力容量を実現。これにより、従来品に比べ漏れる信号成分を抑制することが可能であり、高周波動作に対応することが可能となっている。
さらに、MOSFETのゲート膜構造を最適化することで、従来100pA程度あったリーク電流を30pAへ低減することに成功。これにより測定精度の高い装置を実現することが可能となるという。