Analog Devices(ADI)は、携帯電話基地局用受信機や送信監視用受信機、無線リンク・ダウンコンバータなどのワイヤレスアプリケーション向けに、RFパッシブミキサー「ADL5353」(シングル・チャネル)と「ADL5354」(デュアル・チャネル)を発表した。2製品ともにすでに量産出荷を開始しており、(米国における)販売価格は1,000個受注時で6.98ドルからとしている。

2製品ともに、2,300MHzから2,900MHzの周波数範囲で動作。RFバラン、デュアルLO(ローカル・オシレータ)周波数アプリケーションのためのLOスイッチ、LOドライバ、同一チップ上のIF(中間周波数)アンプを搭載している。バランのチップ上への搭載は、RF信号のシングルエンド駆動入力を可能にするほか、同じく集積化されたIFアンプは、十分なゲインを提供することで、外付けのゲイン段を不要にする。

また、最高クラスのIP3と雑音指数性能を実現しており、高いスプリアス・フリー・ダイナミックレンジが実現できるほか、ブロッカー信号存在下でも優れた雑音指数の提供が可能だ。これにより、これらのミキサーは受信機が大きな妨害信号の存在する状況で動作するアプリケーションにおいても使うことが可能となっている。

なお、2製品は公称5Vだが、消費電力に厳しい制約が課せられるアプリケーション向けに、3.3V電源でも動作させることができる。