皆さん、おはようございます。 社長の山本です。 富士通への入社、おめでとうございます。 富士通グループ全社員17 万人を代表して、皆さんを心から大歓迎します。

今日は、皆さんが社会人として、そして富士通の社員として、スタートラインから一歩前に踏み出す記念すべき日です。 そして私にとっても、今日という日は、新たなスタートの第一日目です。 本日付けで私は富士通株式会社執行役員社長に就任しました。皆さんと立場も年齢も違いますが、新しい仕事に第一歩を踏み出す日を迎えたという意味では私も皆さんと同 じ、新人のようなものです。 社長としての最初の大きなイベントが、皆さんを迎えるこの入社式であることを、私は大変嬉しく思います。

皆さんは、今日から社会人として働き始めました。学生時代と決定的に違うことは、皆さんには常に大切な「お客様」がいるということです。会社は様々な部門が一つのチェーンや網の目のような連携を図り価値をつくりだしています。皆さん一人ひとりが、富士通2万5千人、世界のグループ17万人の代表者としてお客様に価値を提供する、大きなプロセスの一端を担っているのだ、ということを強く意識して欲しいと思います。

皆さんを迎えるにあたって、会社の先輩として三点をお話したいと思います。

一つ目は、努力を怠らないこと。そして自分の道を自分で切り開くということです。それは、自分の人生に責任を持つということでもあります。思ったような環境でなくても、その中で自分にできることは何かを考えて努力をすると、やりがいが生まれ道が開ける。自分の道を自分で切り開く。そのための努力を惜しまない。是非忘れないで欲しいと思います。皆さんなら、きっとできると信じています。

二つ目は、コミュニケーション力を磨くことです。なぜ「会社や組織」というものがあるのか、ちょっと考えてみてください。どんなに優秀な人でも、一人でできることには限りがあります。社内の関係者、そして、お客様など社外のたくさんの関係者の方々とも、密接なコミュニケーションを図ることによって、大きな仕事を成し遂げています。ここで皆さんに覚えていただきたいことは、自分本位に話したりemail を送ったりしても、受け取った相手がきちんと理解をしてくれなければ、コミュニケーションは成り立たないということです。相手から自分が受け取ったものを、自分本位に理解しても同じことです。自分が伝えたいことを、どう表現し、どう伝えるのかを考えること、相手が伝えようとしていることを考えること、それがコミュニケーション力で す。

三つめは、自分自身を高める努力を怠らないこと、つまり自分の「人としての魅力」を磨いていただきたいということです。仕事に直接必要な勉強をしたりスキルを磨くだけでなく、是非、自分の興味や関心を旺盛にして見識を広げ、人としての魅力を磨いて欲しいということです。もうひとつ、「人としての魅力」で大切なことは、人として立派に生きるということです。立派というと大げさですが、簡単に言えば社会人として胸を張れる行動がとれる、ということです。幅広い見識を身につけ、人として立派に生きること、当たり前のことかもしれませんが、「言うはやすし、行うはかたし」。是非、実践していただきたいと思います。