任意の形状で表示可能なLCD

NEC液晶テクノロジーのブースでは、従来の四角のLCDパネルではなく、任意の形状に切り出したLCDの展示などを行っている。任意形状といっても、複雑な形状は対応が難しく、基準としては、「曲線が緩やかなもの」(同社説明員)とのこと。

デモ展示としてハート型LCDパネルにて映像表示が行われていた。5型程度までは製造可能としている。表示方法としては、表示コンテンツをその形状に合わせて作りこんで表示する方法のほか、四角の一般的なコンテンツをドライバIC側で表示しない部分の座標を指定して、任意形状にするといった手法などがとられるという。なお、すでに引き合いもあるとのことで、同社では2010年度中での量産ができれば、としている。

ハート型以外にも葉っぱ型などの形状を構成可能とのこと

また、任意形状LCDのほか、モノクロ電子ペーパーも展示している。E Inkの技術を用いて、自社の駆動回路技術などを組み合わせて製造しており、A3型の電子ペーパーを2枚並べての表示デモなどが行われている。なお、電子ペーパーについても2010年度中の量産を計画しているとのこと。

A3型の電子ペーパーを上下につなげてさらに大きなコンテンツの表示を実現している

独自インク技術を活用

ブリヂストンは、独自開発の白と黒の粒子「電子粉流体」を用いた電子ペーパー「QR-LPD(Quick Response - Liquid Powder Display)」の展示を行っている。QR-LCDは、カラー表示も可能。カラー表示を行う場合、色のついた粒子を用いる方法とモノクロパネルの上にカラーフィルタ(CF)を被せる方法があるが、「コスト的に考えるとLCDなどでの技術の応用が利くCF方式の方が有利」(同社説明員)とのこと。

ブリヂストン開発の「電子粉流体」を活用した電子ペーパー「QR-LPD」

こちらのカラー電子ペーパーは色つき粒子を用いて表示をしているとのこと

モノクロ版は16階調表示が可能で、カラー表示はCF採用モデルで4ビット4096色の表示が可能。いずれのモデルも2010年第1四半期には評価キットの提供を開始するとしている。

開発評価キットのパネルサイズは多岐にわたり、カラーパネルも用意。キットのCPUモジュールはアットマークテクノの「Armadillo-500」を採用している

また、同社ではプラスチック系基板を用いた「オールフレキシブルQR-LPD」の開発も進めており、こちらについては「まだガラス基板に比べて電極が太くなってしまう」(同社説明員)としているが、カラー化もCFを用いることで可能であり、用途に応じて使い分けていく模様。

「オールフレキシブルQR-LPD」のデモ。見事に曲がっているのがわかる

なお、書き換え回数は現行のモデルで20~30万回としているが、次世代では100万回を実現することを目標としており、将来的には「電子ペーパーでの動画描画を実現したい」(同社説明員)としている。

「QR-LPD」のロードマップ