三菱自動車は、バイオエタノール10%混合ガソリン(E10ガソリン)に対応した実験車「MITSUBISHI E10 BIOETHANOL VEHICLE(バイオエタノール ビークル)」が国土交通大臣認定を取得し、岡山県が行う"グリーンバイオ・プロジェクト"の一環で公道走行試験に参加すると発表した。同車は、SUV「パジェロ」の3.0リットルガソリンエンジン搭載車をベースにしたE10ガソリン対応車。試験期間は8月から2011年3月まで。

「MITSUBISHI E10 BIOETHANOL VEHICLE」

同プロジェクトは、岡山県が低炭素・資源循環型社会の実現を目指して推進するもので、間伐材、廃材などの木材や食べられる部分を除いた農業生産物のセルロースからバイオエタノールやバイオマスプラスチックを製造。走行試験は、製造されたバイオエタノールをガソリンに10%混合することにより生成されたE10ガソリンを使用して行われる。走行試験により得られた部品の劣化状況の有無や排出ガス試験などのデータは国土交通省に報告され、道路運送車両の保安基準の検討に活用されるとのこと。

カーボンニュートラルとされるバイオエタノールを混合したガソリンは、CO2排出量の低減に寄与するとして環境省などが普及を推進。通常のガソリン車の場合はエタノールを3%まで混合したE3ガソリンの使用が可能なため、一部の地域のサービスステーションでは5月からE3ガソリンの市販が開始された。E10ガソリンについては車両側でのE10対応が必要となるため、走行試験を経てE10対応車両がある程度普及した段階において市販される見通し。E10対応車両はE3および通常のガソリンを使用できるように設計されているため、E10ガソリンが供給されるまでの期間はE3ガソリンを利用するとしている。