高利益体質の定着がカギに オリエンタルランド社長に高橋渉氏

「テーマパークやホテル事業の既存事業を着実に成長させ、新たなクルーズ事業に取り組みグループ全体としての成長戦略を確実に実行していきたい」とコメントしたのは、オリエンタルランド(OLC)次期社長の高橋渉氏。

 3月25日、OLCは4月1日付で取締役常務執行役員の高橋渉氏が社長兼COO(最高執行責任者)、現社長の吉田謙次氏は6月下旬開催の株主総会後に特別顧問に就く。

 同社は2025年度から新たな長期経営計画を始動するにあたり、新たな経営体制を構築。

 高橋氏は、1957年千葉県生まれ。81年関西大学文学部卒業後、オリエンタルランド入社。総務、経理、営業部門などを経て、2007年からグループ会社のイクスピアリ社長を4年間務めた。

 吉田氏は高橋氏を「高いコミュニケーション力で社内外からの人望も厚く、何よりタフで、逆境の中でも協力に組織をリードし、成果に繋げている。これからグループを牽引する人材としてふさわしい人物」と評した。

 OLCの24年3月期の売上高は6184億円、営業利益1654億円。25年3月期も更新し、過去最高益になる見込み。入場者数(同期)は2750万人、顧客単価は1万6644円。入場者数はコロナ前まで完全に戻りきっていないが、顧客単価の上昇を図り高利益体質への転換を行っている。

 物価高や実質賃金マイナスの中で、学生や若い世代が頻繁に遊びに行くことは難しい価格のようにも見えるが、昔と変わらず今も入園2時間前から入場ゲートに並ぶたくさんの人の姿があり、人気は衰えていない。

 特に新規事業のクルーズ事業の舵取りは、高橋氏に課された大きな使命となる。