PC以外にも使えるDisplayPort
一方のDisplayPortもデジタル家電などPC以外にも適用できるブランドとして「SlimDP」を立ち上げるという。こちらは「Cool HDまでは消費電力は下げられないかもしれないが、競合に比べればかなり下げることが可能となる。こうした低消費電力化は、我々のアーキテクチャを用いないことには実現は難しいだろう」とYang氏は自信を覗かせる。
このSlimDP、どのような使い方が想定されているかというと、例えばFPDでの活用が考えられる。一般的な薄型テレビを考えてもらうと、薄くなったといっても、パネルの後ろにチューナなどが搭載されている関係上、紙のように薄くすることはできない。ソニーが販売している有機ELテレビはチューナ部分をテレビの土台に持っていくことで、パネルそのものの薄さを際立たせているが、この発想の延長として、パネルは壁に取り付け、チューナ部分はSTBやチューナボックスとして別に置き、両者の間をSlimDPで接続しようというのが、現在検討されているという。もちろん、STBとHDDレコーダなどとの接続にはHDMIが用いられることとなる。
ポートフォリオとして、当然低消費電力製品の拡充を図っていく考えで、「トランスミッタ製品はすべて低消費電力品に置き換えていく計画だ。スケジュールとしては、顧客の要望がまだ既存製品にもあるため、長めに見て2010年いっぱいくらいで完了すると見ている」(同)と語る。
IPでも提供
Analogixでは、HDMIとDisplayPort製品の提供を行っているが、それらはIPとして他の半導体ベンダなどにも提供される。現在、HDMIやDisplayPort v1.1、6.25Gbpsまで対応するSerDesなどのIPの提供が行われているが、今後はUSB 3.0のPHYの提供を予定しているほか、DisplayPort v1.2のIPも「まだ仕様が確定していないが、プリスタンダード版として1レーン5.4Gbpsに対応したものを年末までに提供する」(同)としている。
なお、各IPはTSMCのほか、Charterd Semiconductor Manufacturing、UMCなど各ファウンドリで自社ならびにカスタマ各社の製品によって動作が確認されている。