Analog Devices(ADI)は、GPS衛星が送信する標準1pps信号を用いることで、通信インフラストラクチャ機器向けにクロック信号の生成と同期を実現するクロックIC「AD9548」を発表した。すでに量産を開始しており、1,000個受注時の単価は24.82ドルとなっている。

同製品は、リモート先の光ネットワークやワイヤレスネットワークのノード、ケーブル・インフラストラクチャ、データ通信機器向けに開発された製品で、デジタルPLLを搭載することで、従来GPS信号と同期したクロック信号の生成に必要とされていた発振器、PLL、他のクロック再生回路による専用の通信システムが不要となるほか、1pps GPS信号をアップコンバージョンすることで、外部リファレンスに伴う入力時間ジッタ(位相ノイズ)を300fsまで低減することが可能だ。

クロック配分ブロックは、4個の出力ドライバを提供し、それぞれのドライバは、1組の差動LVPECL/LVDS(低電圧ポジティブ・エミッタ結合ロジック/低電圧差動信号ロジック)出力としても、シングルエンドCMOS出力ペアとしても、プログラミング可能。4個の出力それぞれが、専用の30ビット・プログラマブル・ポスト周波数分周器を組み込んでおり、複数の差動出力周波数の生成も可能である。

また、ファレンス・クロック乗算器も集積。4MHzのシステム・クロック・リファレンスで最高450MHzをサポートするほか、最低1mHzまでプログラミング可能なデジタル制御ループ・フィルタとマニュアル設定および自動設定ホールドオーバ回路を内蔵しており、リファレンスの一部またはすべてが失われた場合も、連続して低ジッタで正しい出力クロックを生成することができる。