「InDesign」と「QuarkXPress」を実際に使ってみて、どちらがより優れているかを見てみようという対決企画。前回はフォーマット作成機能について比較を行った。第2回目は、組版に欠かせない文字の設定機能を比較してみることにする。
約物のアキ量調整機能の比較
雑誌や書籍、パンフレットといった長文のデザインは、文字組みの美しさによって仕上がりが大きく左右される。特に和文には約物(句読点や括弧、記号類)が多く存在し、そのままテキストを流し込むと、前後に大きなアキができてしまう場合が多い。InDesignやQuarkXPressでは、このアキ量を自動的に調節されるように設定できる。
まずはInDesignの文字組み設定機能を見てみよう。InDesignでは、「文字組みアキ量設定」ダイアログで、約物のアキ量があらかじめ設定されたセットを選ぶことができる。このセットは、好みに合わせてカスタマイズすることも可能だ。
「文字組みアキ量設定」ダイアログ。上部のポップアップメニューから、文字組みのプリセットを選ぶことができる |
選んだプリセットの設定を部分的に調節し、オリジナルのセットを作成することもできる。リストの左側には約物のサンプルも表示されているのでわかりやすい |
ダイアログの「詳細設定」ボタンをクリックすると、特定の約物の前後に個別のアキ量を設定することができる。たとえば、『「』の後に『(』が続く場合は0%、漢字やひらがなが続く場合は25%までというように、詳細なコントロールを行える |
続いてQuarkXPressを見てみよう。QuarkXPressは、バージョン8で文字組みの機能が追加され、アキ量設定が行えるようになった。
段落スタイルシートの編集ダイアログで、文字組みセットのリストを開いたところ。InDesignと同様、文字が読みやすくなるように設定されたプリセットを選択できる |
こちらでも、選んだ文字組みセットをベースに文字組みをカスタマイズできる。ダイアログ左下にある「プレビュー」をオンにしておくと、実際のテキストを見ながらアキ量を調整できる |
いずれのソフトでも、プリセットを使った基本的な文字組みはほぼ同様に行うことが可能だ。QuarkXPressではバージョン8で初めて搭載された機能だが、充分に実用レベルであると感じた。一方、InDesignは特定の約物間のアキ量までを詳細に設定できるのが大きな魅力。文字組みにこだわりたいデザイナーのニーズをしっかりと満たしてくれるだろう。よってここは互角とする。