Twitter連携などのテンプレート機能

drop.ioの特徴的な機能として「テンプレート」というカスタマイズ機能がある。drop.ioのUIを、Twitterとの連携や音楽ファイルの保管などに適したものに変えられる機能だ。

テンプレートはdrop.ioへの初回アクセス時に設定する。トップ画面で「Use a drop.io template」を展開すると、「Twitter」「chat」「playlis」「phone」という4種類のテンプレートが提示される。たとえばTwitterを選択した場合、「tweet.io」というTwitterとの連携を前面に出したテンプレートを利用できる。これによって、Tweet.ioでのアップロード通知が、登録したTwitterアカウントの発言として投稿される(標準テンプレートでも管理画面の設定によってTwitterでフィードの購読は可能)。

「tweet.io」でアップロードした場合。TwitterのID/パスワードを登録して購読できる

「playlist.io」(テンプレート「playlist」)の場合は、音楽ファイルのアップロードに最適化されている。アップロード後の画面にはFlashベースのプレーヤーが表示され、クリックすると自動的に音楽が再生される。iTunesなどに対応したポッドキャスティング用URLも生成される。MP3などの音楽ファイルさえ用意すれば簡単にポッドキャスティングが開始できるのだ。

「playlist.io」でアップロードした場合。ポッドキャスティング機能がある

ちなみに、Tweet.ioの場合、「http://drop.io/?code=twitter」のようなURLで指定される。drop.ioという基盤を使って新しいサービスを展開しようと思ったとき、通常はURLを変えたり、サービス名自体を変えたりするものだが、drop.ioの場合はテンプレート名で指定するだけという変わった手法をとっている。

有料サービスも用意

drop.ioを使い込んでいくと100MBでは足りないといった話や、セキュリティを強化したいという話が出てくるかもしれない。そのためにdrop.ioでは有料サービスを提供している。ひとつのURLに対して年間10ドルで、最大サイズを1GBまで引き上げることができる。また月額プランを用意。25URL/20GBの「Professional」は19.99ドル/月、250URL/100GBの「Buisiness」は99.99ドル/月。月額プランの場合は「drop.io Manager」という管理インタフェースが追加される。この管理インタフェースからは自作のテンプレートを登録することが可能だ。

有料プランについて

Web APIを公開中

drop.ioではWeb APIも公開されている。ユーザ登録すればAPIキーが発行される。これを使うことで、ファイルの登録はもちろん、友人を招待するためのメール送信、コメントの閲覧や投稿などWebベースで可能な操作のほとんどをWeb API経由で処理できるようになる。すでに「uSend.io」というオープンソース・ソフトウェアや、「Droppler」というiPhoneアプリケーションなどが登場している。drop.ioだけで、ファイルの管理やコメント付けなどの面倒な操作をできるとすれば有用な場面は多そうだ。

Web APIページ。Web APIを通じてdrop.ioの操作はほとんど可能

まとめ

drop.ioは元々はユーザ登録不要で使えるファイルアップロードサービス──という印象だった。ただ、近年は、コラボレート機能やアップロードファイルの種類に応じた処理分けなどの機能を実装し、どんどんと魅力を増している。ひとりで使うオンラインストレージであれば「Dropbox」や「ZumoDrive」などがあり、不特定多数向けのファイルアップロードであれば「RapidShare」や「Box.net」などが存在する。しかし、drop.ioはそのいずれとも違う進化の道を歩んでいる。そしてその流れは他のサービスとマッシュアップし、自分たちのWeb APIを公開し、リアルタイム性を高めるといった具合に、最近のWebサービスの王道を歩んでいるかのように見える。drop.ioの次なる進化がどのようなものになるか、気になってしまう。