ニッキー・ヒルトンという"メディア"もクロス
スミテックス・インターナショナルとブランディングの協業は、スミテックス・インターナショナルの親会社である住友商事が「ファッションウォーカー」に出資したことが発端となっている。同社は、中高級アパレル・セレクトショップを中心に企画提案型、高付加価値型商品を提供する住友商事の繊維ビジネスの中核をなす事業会社である。会見後、スミテックス・インターナショナル 執行役員・企画開発室長である今口和子氏に訊ねた。
――この時期に新ブランドを立ち上げるというのは、「F1層の購買意欲は景気に左右されない」という見込み、判断をされたということでしょうか?
いつの時代を見てきても、女性というのは政治情勢がどうとか、世の中が不安だからお洒落を止めるということはしないと思っています。それは年代や世代に関係なくですが、現代では特にF1層と呼ばれる人たちの勢いは、まだまだ伸びると感じています。
――今回の取り組みで「クロスメディアの効果」は、どのくらい見込んでいるのでしょうか?
クロスメディアは、今回のF1層へのリーチとブランディングを成功させる重要な部分だと考えています。クロスメディアというのは、いつでも、どこでも、誰でもが、多くの情報をいっぺんに受け取ることができ、それによって楽しんでもらうことです。今回は、ニッキー・ヒルトン自身が"メディア"とも言えますよね。彼女だからこそ、他のあらゆるメディアをクロスすることができるのであって、これまでに見られない新しい形の"クロスメディア"が仕掛けられると思っています。
――購買経路もバリエーションを持たせるのでしょうか
最近の女性たちのPCやモバイルにおけるオンラインショッピングの利用率向上にも注目していますので、リアルショップ以外にも今年秋冬の本格展開に向けて、モバイルサイト、PCサイトでの販売も視野に入れた準備を急ピッチで進めているところです。
今回の「東京ガールズコレクション」でのリアルタイム販売はないとのことだが、このショーでアピールし、10日のショップチャンネル出演での限定、先行販売という仕掛けなのだろう。
「新世代クロスメディア」によるF1層へのリーチが、どうアパレル業界の消費に貢献するのか。「ニッキー・ヒルトン」というセレブ・メディアを軸にした「NICKYHILTON」のブランド戦略のこれからの展開が楽しみである。