The Debian Projectは2月14日(現地時間)、Debian GNU/Linux 5.0(開発コード名「Lenny」)を正式にリリースした。前バージョンである4.0(Etch)が公開されてから実に22カ月を経ての登場となる。多くのソフトウェアおよびパッケージのアップデート、全12種類のCPUアーキテクチャ対応などが実施されている。全体的にソフトウェアパッケージのアップデートが中心で、さほど大きな変化は見られないが、細かい部分で使い勝手が向上したバージョンとなった。

サポートされるCPUアーキテクチャはSun SPARC(sparc)、HP Alpha(alpha)、Motorola/IBM PowerPC(powerpc)、Intel IA-32(i386)、IA-64 (ia64)、HP PA-RISC(hppa)、MIPS (mips/mipsel)、ARM(arm/armel), IBM S/390(s390)、AMD64/Intel EM64T(amd64)の12種類。このうち、前バージョンのEtchから新たに提供されるのは組み込み向けのARMアーキテクチャ「ARM EABI(armel)」で、armよりも高速に動作する点が特徴。また組み込みARM向けにソースパッケージのクロスビルトを可能にするEmbedebianも含まれる。

その他のハードウェア新対応項目としては、数多くのストレージデバイス(QNAP Turbo Stationシリーズ、HP Media Vault mv2120など)で使用されているMarvellのOrionプラトフォームや、ASUSのEee PCといったNetbookのサポートなどが挙げられる。

アップデートされた主なソフトウェアパッケージは、KDE 3.5.10、GNOME 2.2.2、Xfce 4.4.2、X.Org 7.3、OpenOffice.org 2.4.1、GIMP 2.4.7、PostgreSQL 8.3.6、MySQL 5.0.51a、gcc 4.3.2、OpenJDK 6b11など。デフォルトのデスクトップ環境はGNOMEとなっている。Linuxカーネルバージョンは2.6.26で、2万3,000を超えるパッケージが用意されている。

インストール方法としては、今回初めてBlu-rayによるインストールがサポートされたほか、i386およびamd64に関してはライブイメージ(CD/USB/ネットブート)によるインストールが可能になっている。インストール対応言語数は全部で63で、点字ディスプレイのサポートも行われている。CDイメージの入手先リストはこちら