東京ビッグサイトで8月22から24日まで開催されたデザインフェア「グッドデザインエキスポ2008」。全応募総数3,000件ほどのなかで、今回は2次審査対象となるノミネートデザイン約2,000件が出品され、来場者数は41,092人にのぼった。
ノミネートデザインは、『身体』、『生活』、『産業』、『社会』、『身体の移動』、『情報の移動』、『コミュニケーション』、『新領域』の各領域群ごとにまとめられ、来場者は思い思いに展示されているデザインを鑑賞していた。ここで「デザインコミュニケーション」エリアを中心に「グッドデザインエキスポ2008」の作品展示を紹介していこう。

新領域の『かげろい』に注目

新領域の中で注目したのは、オフィス空間を演出するシステム『閃考会議室(空山水、かげろい)』だ。『かげろい』は、ブレインストーミングなどの会議を活性化するためのアイデア支援ツールで、会議メンバーがあるキーワードを話すと、それに関連する言葉や画像がその会議テーブルに映しだされ、活発なアイデア出しを補助する。デザイン・プロデュースした「カヤック」は、「時間の移ろいや季節感などの情緒といった感覚、遊びの感覚には想像力こそが重要である。そこで、情報技術をあえて高解像度化ではないアプローチでの活用を試みた」とコメントしている。

『かげろい』は、会議中の参加者の発言を音声認識し、関連するキーワードや画像などをウェブ上から検索して、会議テーブル上に表示する。応募企業は「カヤック」

各大学の個性が光ったデザインコミュニケーションエリア

数々のノミネートデザインたちの華やかさに負けず劣らず、デザインコミュニケーションのエリアも活気に満ちていた。とくに大学の出展ブースは、どの大学も産学共同開発のトレンドにのり、学生たちによる『企業顔負け』のデザインが随所で披露されていた。出展大学は、多摩美術大学・京都精華大学・京都工芸繊維大学・大阪芸術大学・千葉工業大学・千葉大学・東北芸術工科大学・武蔵野美術大学の8校。次のページから、各大学の出展ブースを紹介していこう。