第32回 全日本少年サッカー大会の決勝大会が、8月2日福島県双葉郡楢葉町のJヴィレッジにて開幕した。32年前に開催された第1回大会では、堀池、長谷川、大榎の「清水の三羽ガラス」を輩出。以降も数々の名プレイヤーを生んでおり、最近では、元横浜大洋ホエールズ内野手 高木豊氏の三男 高木大輔や、Jリーグ日本人選手初ゴールを決めた風間八宏氏の次男 風間宏矢などが活躍し、名を残している。

運営本部などが置かれたJヴィレッジのセンターハウス

センターハウスの入り口には全日本少年サッカー大会の横断幕が

決勝大会にはマイクロソフトが技術サポートという立場で運営に参加。Microsoft Visioをベースにしたスコアシート作成ソフトで大会記録の集計処理を効率化するとともに、その記録をWebサイトへ迅速にアップロードし、大会の盛り上げに大きく貢献している。

本稿では、同システムの概要/運用方法を紹介しながら、大会運営者側の視点から同大会の模様をお伝えしよう。

天気は曇りのち雨。サッカーには最適

参加総数は高校野球の約2倍

決勝大会は、各都道府県の予選を勝ち抜いた48チーム(東京都代表は2チーム)が一同に会して優勝を争う。予選参加チーム数はなんと7973。高校野球の約2倍に上る激しい競争を勝ち抜いてきた強豪同士がしのぎを削る戦いだ。

センターハウスに設置された、試合会場とスケジュールを示すボード。8つのグラウンドで同時に試合が進行する

1次ラウンド(6チーム総当りのリーグ戦)の星取表と決勝トーナメントの予定が記載されたボード。準々決勝まではJヴィレッジで、準決勝、決勝は西が丘サッカー場(東京都北区)で開催される

それだけに同大会出身のプロ選手は少なくない。先述の選手たちをはじめ、井原正巳、森保一、服部年宏ら、日本代表を支えてきた選手も数多く名を連ねる。間もなく開幕する北京オリンピックに出場予定の、森本貴幸、森重真人らもこの大会で活躍している。

12歳以下とはいえ、48/7973を勝ち抜いてきたチーム同士の対戦は白熱

きっかけは巨人軍

マイクロソフト パブリックセクター ソリューションセールス本部 ソリューションスペシャリスト 大瀬雅之氏

そんな由緒ある大会に対してマイクロソフトは2004年から技術支援を始めている。参加に至るきっかけをたどると、驚くことに、プロ野球団の読売ジャイアンツにつながるという。

「Microsoft Visioをベースにした野球向けスコアシート作成ソフト『Visco For Baseball』を開発したマイスターおよび当社は、当初、読売ジャイアンツに意見を聞いた。そこで、プロ野球団ではすでにかなりの額をかけて作ったスコアシート作成ソフトを持っているが、アマチュアの大会で記録を残すのには重宝する、との意見をもらい、同球団が主催するジャビットカップやジャイアンツカップに技術支援というかたちで協力した」(マイクロソフト パブリックセクター ソリューションセールス本部 ソリューションスペシャリスト 大瀬雅之氏)

その後、ジャビットカップ/ジャイアンツカップに協賛していた読売新聞社の縁をたどり、サッカー向けスコアシート作成ソフト「Visco For Soccer」を携えて、全日本少年サッカー大会に参加。決勝大会のメイン会場を読売ランドからJヴィレッジに移した2004年の変革期から運営メンバーとして加わることになった。

決勝大会だけあり、選手の応援にも熱がこもる