沖電気工業(OKI)は10日、FIFO方式フレームメモリを内蔵した監視カメラ用映像補正LSI「ML87V21072」を開発したと発表した。6月中のサンプル出荷、10月からの量産出荷をそれぞれ予定している。サンプル価格は800円。

監視カメラ用映像補正LSI「ML87V21072(左:100ピンTQFP、右:90ピンBGA)

FIFO方式フレームメモリは、基本的に先に入力されたデータから先に読み出す機能を持ち、非同期動作、入力/出力端子分離が特長。フレーム・フィールド・ラインの3相関による3次元ノイズリダクション(NR)を実現しているほか、エッジ補償型空間フィルタを搭載しているため、3次元NRで除去しきれなかった高域ノイズも除去することができる。

また、映像が「静止」あるいは「動き」であるかを判別し、静止映像にはより強力に、動き映像には残像低減を考慮したNRを実施することが可能だ。さらに、NR後には明るさに応じた輝度ゲイン補正、色差補正を自動的に行う機能も搭載している。

入力インタフェースはITU-R BT.656、510H、760HのCCDサンプリングに、出力インタフェースはITU-R BT.656、510H、760Hの他、内蔵ビデオエンコーダによるアナログコンポジット信号およびS-ビデオ信号にも対応している。そのため、CCDイメージセンサ用DSPに直接接続することが可能となっている。

なお、同社では、同製品をベースに歪曲補正機能の追加、映像認識技術を採用していくことも検討し、より付加価値の高い映像補正LSI商品の開発、提供を行っていきたいとしている。