蘭NXP Semiconductorsの日本法人NXPセミコンダクターズジャパンは28日、事業説明会を開催し、日本における"汎用半導体"事業に注力することを発表した。

NXPセミコンダクターズジャパン 代表取締役社長 松本実氏

同社は、携帯電話を中心とした「モバイル&パーソナル」、テレビ関連を中心とした「ホーム」、自動車関連を中心とした「オートモーティブ&アイデンティフィケーション」、汎用半導体関連の「マルチマーケット半導体」の4つのビジネス領域ごとにビジネスユニットを形成、事業を行ってきた。

いずれの事業においても「強い領域をさらに強くする」(NXPセミコンダクターズジャパン 代表取締役社長 松本実氏)戦略のもと、各マーケットセグメントで少なくともシェア2位に入れる分野に注力しており、「売り上げの7割はこうした製品から生み出されたもの」(同)としている。

NXPセミコンダクターズジャパン マルチマーケットセミコンダクターズ 部長 国吉和哉氏

マルチマーケット半導体事業は、汎用半導体が柱であり、多数のアプリケーションを対象とすることから製品数が多いのが特徴となっている。現在、約1万1,000製品がラインナップされており、「2007年はワールドワイドで3万を超す顧客に対し560億個の製品を出荷した」(NXPセミコンダクターズジャパン マルチマーケットセミコンダクターズ 部長 国吉和哉氏)という。しかし、日本においては、国内メーカーの製品が強く、「NXPのマーケットシェアは数%程度」(同)というのが実情であり、抜本的な対策が求められていた。

今回の事業強化では、2008年から「2、3年でシェアを2桁%まで引き上げたい」(同)としており、同事業に携わる人員を倍増させ販売体制の強化を行う。また、代理店各社との連携を進め、専任のFAE(フィールドアプリケーションエンジニア)を用意、技術サポート力を強化することで、テレビを中心とした家電メーカーとの関係を密にしていくことを目標とする。なお、事業強化の進捗状況については、「代理店の取り組みも含め、3月中には体制が整う」(同)としている。

具体的には、注力製品分野である「ARMマイコン」「インタフェース製品」「パワーマネジメント」「ディスクリート/ロジック」それぞれで特徴を生かしたセールスを展開していく。例えばARMマイコンでは、従来の"ARM7"、"ARM9"のライセンスに加え、「Cortex-M3」のライセンスを2月5日(現地時間)に取得、2008年中の製品化を予定するなど製品ラインナップを増やす方針だ。また、差異化が難しいディスクリートでは、パッケージの小型化や低消費電力化、複数機能の統合などを行うことで特徴を出していくとした。

ディスクリート製品であっても差別化は可能

また、今後は、製品単体で提供するのではなく、製品関連情報の日本語での提供や海外工場を含めたグローバルでのサポート、サードパーティなどを含めたエコシステムの構築など、周辺まで含めたサポート体制の強化をアピールすることで、他社と差別化していくという。